皆様、こんにちは。レスター司法書士法人の日高健一です。
相続手続きについて、「専門家に丸投げしたら費用が高くなるのでは?」「それぞれの専門家に個別に頼んだ方がいいのでは?」と迷われる方が多いのではないでしょうか。
確かに、弁護士、税理士、司法書士、不動産業者など、複数の専門家が関わる相続手続きでは、誰にどこまで依頼すべきか判断が難しいものです。一人の専門家に丸投げすれば楽になることは分かっていても、費用面での不安から踏み切れない方もいらっしゃるでしょう。
本日は、相続手続きを専門家に丸投げした方がいい理由と、その際にかかる費用の相場、そして専門家選びで注意すべきポイントについて解説いたします。
相続手続きは専門家に丸投げすべき理由
結論から申し上げますと、相続手続きは専門家に丸投げした方がよいと考えています。
その理由は以下の2つです。
- トータルコストが安くなるから
- 財産を守り、最適な結果が得られるから
それぞれ解説します。
1. トータルコストが安くなるから
一見すると、複数の専門家に個別に依頼した方が費用を抑えられそうに思えますが、実は逆なのです。
相続手続きには基本的な情報があります。例えば、相続人が誰なのか、どのような財産があるのかといった情報です。これらの情報を専門家同士で共有することで、全体のコストを抑えることができます。
逆に、それぞれの専門家に個別に依頼すると、以下のような非効率が生じます。
- 同じ説明を何度も繰り返す必要がある
- 各専門家がそれぞれ一から情報収集を始める
- 専門家間の連携がなく、手続きが分断される
時間も費用も余計にかかってしまうのです。想像してみてください。弁護士にも、税理士にも、司法書士にも、同じ家族構成や財産の説明を一から行う手間を。これは非常に効率が悪いですよね。
2. 財産を守り、最適な結果が得られるから
相続手続きを洗濯に例えてみましょう。
洗濯には「洗う→干す→畳む→収納する」という一連の工程があります。これを別々の人が担当したらどうでしょうか。
- 洗濯機に入れる段階で色落ちするものを一緒に洗ってしまう
- 干す人が畳む人のことを考えずにぐちゃぐちゃに干す
- 畳む人が収納する人のことを考えずに畳む
このように、一連の工程を理解している人が担当した方が、スムーズで効率的ですよね。
相続も同じです。トラブル解決、税金対策、名義変更、不動産売却など、すべての工程を理解した上で進めることで、最終的に家族にとって最適な結果を得ることができます。
相続手続きの専門家とその費用相場
相続手続きには様々な専門家が関わります。それぞれの専門分野と費用相場を見ていきましょう。
相続に関わる主な専門分野
相続手続きには以下のような分野があります。
- トラブル解決:相続人で意見が合わない、揉めている、家族が疎遠になっているなど
- 税金:相続税の申告と納税
- 名義変更:不動産の名義を誰にするか、実家をどうするか
- 不動産売却:親の不動産を売却する手続き
- その他金融資産:銀行、保険、株式などの名義変更
各専門家の費用相場(遺産総額1億円の場合)
- 弁護士(トラブル解決):約200万円
- 税理士(相続税申告):約100万円
- 司法書士(不動産名義変更):約30万円
- 不動産業者(不動産売却):約300万円
もちろん、すべての専門家に依頼する必要がある方ばかりではありません。税金だけ、名義変更だけという方もいらっしゃいます。
専門家選びで注意すべき「偏り」
ここで重要なポイントをお伝えします。依頼する専門家によって、結果が偏る可能性があるということです。
弁護士に依頼した場合の偏り
弁護士は法律的な解決を優先します。これは専門家として当然のことですが、そのために税金面で不利になることがあるのです。
私が実際に経験した事例では、裁判では勝訴したものの、税金が非常に高額になってしまったケースがありました。税金のことを考慮せずに、法律的な主張を全面的に貫いた結果です。
このように、一方の目的を達成したために、別の面で不利益が生じることがあります。トータルで最適な落としどころを見つけることが重要なのです。
不動産業者に依頼した場合の偏り
不動産業者の場合も注意が必要です。
例えば、相続税対策として1億円のアパートを購入し、1億円の借金をしたとします。確かに相続税は500万円安くなるかもしれません。
しかし、以下のようなリスクがあります。
- 1億円の借金を抱えてアパート経営という事業を始めなければならない
- 5年後、10年後にアパートが古くなり入居者が減る可能性がある
- 最悪の場合、空室だらけの廃墟となったアパートが残る
500万円の相続税対策のために、1億円の借金とアパート経営のリスクを負うのは、バランスが取れているとは言えないでしょう。
税金のことや将来のリスクを総合的に判断する必要があります。
丸投げしなくてもよいケースとは
すべてのケースで丸投げが必要というわけではありません。
以下のような場合は、特定の専門家だけに依頼すれば十分です。
- 相続税を納める必要がない
- 家族間でトラブルがない
- 不動産がなく、通帳などの金融資産のみ
このような場合は、自分たちで戸籍を集めて、その戸籍を持って銀行で手続きをするだけで済むこともあります。司法書士に依頼するとしても、名義変更の手続きのみで十分でしょう。
ご自身のケースがどれに当てはまるか、まずは専門家に相談して確認することをお勧めいたします。
まとめ
相続手続きを専門家に丸投げすべきかについて解説してまいりました。要点を整理いたします。
- 丸投げした方がトータルコストは安くなる。情報を共有することで効率化でき、同じ説明を繰り返す手間も省ける
- 一連の工程を理解した専門家に依頼することで、財産を守り最適な結果が得られる
- 依頼する専門家によって結果が偏る可能性がある。法律面だけ、税金面だけ、不動産面だけに偏らないよう注意が必要
- 丸投げを受けられる専門家に依頼することが重要。自分の専門しかできない専門家では手続きが分断されてしまう
- 相続税がなく、トラブルもなく、金融資産のみの場合は、必要最小限の依頼で済むこともある
相続手続きでは、「何が問題なのか」「誰に相談したらよいのか」モヤモヤして不安を感じる方が多いかと思います。まずはその交通整理から始めることが大切です。
レスター司法書士法人では、窓口を一つにしてワンストップで対応しております。初回のご相談は無料で承っておりますので、ご不安な点やご不明な点がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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