相続放棄の費用はいくら?自分でやる実費と司法書士・弁護士の相場【沖縄】

相続放棄の費用

皆様、こんにちは。レスター司法書士法人の日高憲一です。

「相続放棄をしたいけれど、いったいいくらかかるのだろう」「自分でやれば安く済むと聞いたが、失敗が怖い」――このように、相続放棄の費用について不安を抱えていらっしゃる方は少なくありません。

亡くなった方に借金があった、あるいは相続に関わりたくないといった事情から相続放棄を考えるとき、多くの方が最初に気にされるのが「お金」の問題です。手続き自体は数千円の実費でできると聞く一方で、司法書士や弁護士に頼むと数万円かかるという情報もあり、どちらを選べばよいのか判断が難しいところでしょう。

本日は、相続放棄にかかる費用について、ご自身で手続きする場合の実費から、司法書士・弁護士に依頼した場合の相場、兄弟など複数人でまとめて依頼する場合の費用感、そして費用を払えないときの対処法まで、沖縄での実情も交えて解説いたします。

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目次

相続放棄の費用は大きく分けて2種類

結論から申し上げますと、相続放棄にかかる費用は「家庭裁判所に納める実費」「専門家に依頼する場合の報酬」の2つに分けて考えると分かりやすくなります。

ご自身で手続きをすれば実費のみで済み、数千円程度に抑えられます。一方、司法書士や弁護士に依頼すると、この実費に加えて専門家への報酬がかかります。それぞれ順に見ていきましょう。

自分で手続きする場合の実費:数千円程度

相続放棄は、被相続人(亡くなった方)の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に「相続放棄の申述」を行う手続きです。ご自身で手続きをする場合にかかる実費の目安は、以下のとおりです。

  • 収入印紙:申述人1人につき800円(申述書に貼付します)
  • 郵便切手(連絡用の予納郵券):数百円程度(金額と組み合わせは申述先の家庭裁判所により異なります)
  • 戸籍謄本などの取得費用:被相続人の死亡が分かる戸籍(除籍)謄本や申述人の戸籍謄本など。1通あたり数百円で、必要な通数は相続関係により変わります

これらを合計すると、一般的なケースでおおむね3,000円〜5,000円程度が目安となります。申述に必要な費用や書類の詳細は、裁判所の公式サイトでも確認できます。

参考:裁判所「相続の放棄の申述」(申述に必要な費用・書類の案内)

なお、戸籍の収集範囲が広い場合(たとえば兄弟姉妹が相続人になるケースなど)は、取得すべき戸籍の通数が増え、実費もその分かさむ点にご注意ください。

司法書士に依頼する場合:3万円〜5万円程度

司法書士に依頼する場合、上記の実費に加えて3万円〜5万円程度の報酬が目安となります(事案の複雑さや事務所により異なります)。

司法書士は、戸籍の収集や相続放棄申述書の作成といった書類作成を通じて、ご本人が行う申述をサポートする役割を担います。「書類の準備は自信がないが、できるだけ費用は抑えたい」という方に向いた選択肢といえるでしょう。

弁護士に依頼する場合:5万円〜10万円程度

弁護士に依頼する場合の報酬は、実費に加えて5万円〜10万円程度が目安です(事案により異なります)。

司法書士との大きな違いは「代理権」にあります。弁護士は代理人として、債権者からの督促への対応や、相続をめぐって他の相続人と争いがある場合の交渉まで含めて任せることができます。以下のようなケースでは、弁護士への依頼が向いていると考えられます。

  • 債権者からの連絡・督促に自分で対応したくない
  • 相続をめぐって親族間でトラブルが生じている
  • 3か月の期限を過ぎており、事情説明が必要になりそう

どの専門家に依頼すべきかは、費用の多寡だけでなく、ご自身の状況(借金の有無、親族間の関係、期限までの余裕)を踏まえて判断することが大切です。相続放棄で後悔しないための注意点については、こちらの記事もあわせてご覧ください。

【沖縄の方へ】那覇家庭裁判所での相続放棄と費用

相続放棄の申述は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所で行います。沖縄本島の中南部にお住まいだった方の場合、多くは那覇家庭裁判所が管轄となります(お住まいの地域によっては名護支部や沖縄支部などが管轄になる場合があります)。

予納する郵便切手の金額や組み合わせは家庭裁判所ごとに異なるため、申述先の裁判所へ事前に確認しておくと安心です。管轄や連絡先は、裁判所の公式サイトからご確認いただけます。

参考:那覇家庭裁判所(裁判所公式サイト)

沖縄では、離島にお住まいだった方や、戦争の影響で古い戸籍の一部が失われているといった事情から、戸籍の収集に手間がかかるケースもあります。こうした場合は書類集めだけで日数を要することもあるため、3か月の期限に余裕を持って準備を進めることをおすすめいたします。

兄弟など複数人でまとめて相続放棄する場合の費用

「兄弟全員で相続放棄したい」というご相談は少なくありません。相続放棄は相続人一人ひとりが行う手続きのため、原則として申述人の人数分だけ費用がかかります

たとえば収入印紙は申述人1人につき800円ですので、3人であれば2,400円というように、人数に応じて実費は増えていきます。

一方で、専門家に依頼する場合は、まとめて依頼することで1人あたりの報酬が割安になるケースが多く見られます。これは、戸籍の収集などで共通して使える書類があり、手続きをまとめて進められるためです。同じ被相続人について複数の相続人が放棄するのであれば、別々に依頼するより、まとめてご相談いただいた方が全体の費用を抑えやすいといえるでしょう。

具体的な割引の有無や金額は事務所によって異なりますので、ご依頼前に見積もりの内訳を確認されることをおすすめいたします。

相続放棄の費用が高くなるケースと3か月の期限

相続放棄の費用は、状況によっては上記の相場より高くなることがあります。代表的なのは以下のケースです。

  1. 3か月の期限を過ぎているケース:期限後の申述には、なぜ期限内にできなかったのかを説明する上申書などの追加書類が必要になり、その分の手間や費用が増える傾向があります
  2. 相続財産の調査が必要なケース:借金や資産の全体像が分からず調査から始める場合、その費用が加わることがあります
  3. 家庭裁判所からの照会への対応が必要なケース:申述後に届く照会書への回答で、慎重な対応を要する場合があります

ここで特に重要なのが「3か月」という期限です。相続放棄は、自己のために相続の開始があったことを知った時から原則として3か月以内(熟慮期間)に申述する必要があります。この期間を過ぎると、原則として相続を承認したものとみなされ、相続放棄が認められにくくなります。

「費用を抑えたいから自分でやろう」と準備を始めたものの、戸籍集めに手間取って期限が迫ってしまう、というのは避けたい事態です。期限に余裕がない場合は、費用よりもまず確実に間に合わせることを優先し、早めに専門家へ相談されることをおすすめいたします。なお、個別の事情により取り扱いは異なりますので、判断に迷う場合は専門家にご確認ください。

相続放棄の費用を払えない場合はどうする?

「専門家に頼みたいが、費用を用意できない」という場合でも、あきらめる必要はありません。

まず、ご自身で手続きをすれば実費のみ(数千円程度)で申述は可能です。書類の書き方などで分からない点は、申述先の家庭裁判所の窓口で手続きの案内を受けられる場合もあります。

また、収入や資産が一定の基準以下の方であれば、法テラス(日本司法支援センター)の民事法律扶助制度を利用できる場合があります。これは、専門家費用の立替えなどを受けられる公的な制度です。ご利用には要件がありますので、詳しくは法テラスにご確認ください。

参考:法テラス(日本司法支援センター)

よくある質問

相続放棄の費用は誰が払うのですか?

相続放棄の費用は、原則として申述をするご本人が負担するのが基本です。複数の相続人がそれぞれ放棄する場合は、それぞれが自分の分を負担するのが一般的です。ご家族の中で費用の分担について取り決めをされるケースもありますので、具体的な事情に応じてご相談ください。

相続放棄の費用はいつ支払うのですか?

家庭裁判所に納める実費(収入印紙・郵便切手)は、申述の際に必要となります。専門家への報酬の支払い時期は事務所によって異なり、依頼時・完了時などさまざまです。ご依頼前に支払いのタイミングもあわせて確認されるとよいでしょう。

司法書士と弁護士、どちらに依頼すべきですか?

書類作成のサポートを中心に費用を抑えたい場合は司法書士、債権者対応や親族間の交渉まで代理人に任せたい場合は弁護士が向いていると一般的には考えられます。どちらが適しているかはご状況によって異なりますので、まずは無料相談などを利用して相談されることをおすすめいたします。

費用を抑えるコツはありますか?

取得できる戸籍などの書類をご自身で準備する、兄弟など複数人の場合はまとめて依頼する、複数の事務所で見積もりを比較する、といった方法があります。ただし、期限が迫っている場合は、費用を優先しすぎて手続きが間に合わなくなるリスクにご注意ください。

まとめ

相続放棄にかかる費用について解説してまいりました。要点を整理いたします。

  • 費用は「家庭裁判所に納める実費」「専門家への報酬」の2つに分けて考える
  • 自分で手続きする場合は実費のみでおおむね3,000円〜5,000円程度
  • 専門家に頼む場合の報酬は、司法書士で3万円〜5万円程度、弁護士で5万円〜10万円程度が目安(事案により異なる)
  • 兄弟など複数人の場合、実費は人数分かかるが、まとめて依頼すると1人あたりの報酬が割安になることが多い
  • 3か月の期限を過ぎると費用も手間も増えやすい。費用より確実さを優先し早めの準備を
  • 費用が払えない場合は、自分での手続きや法テラスの民事法律扶助の利用も検討できる

相続放棄は一度きりのやり直しがきかない手続きであり、費用の安さだけで判断すると、かえって大きな不利益につながることもあります。ご自身のケースで自分で手続きするのが適しているのか、専門家に頼むべきなのか、迷われたときはまず相談から始めることが大切です。

レスター司法書士法人では、窓口を一つにしてワンストップで対応しております。初回のご相談は無料で承っておりますので、相続放棄の費用や手続きについてご不安な点がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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監修者 司法書士 日高憲一

この記事の監修者

日高 憲一(レスター司法書士法人 代表社員司法書士)

沖縄県名護市出身。那覇市壺川で開業以来、相続登記・家族信託・渉外登記・事業承継など沖縄の登記・法務案件を幅広く手がける。実務経験20年・相続案件実績2,000件。

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