皆様、こんにちは。レスター司法書士法人の日高憲一です。
大切なご家族が亡くなるとき、それは突然訪れることが多いですよね。
悲しみに暮れる間もなく、様々な手続きに追われることになります。「何から手をつけていいのか分からない」「期限があるのは分かっているけど、どの手続きをいつまでにすればいいの?」そんな不安を抱える方は少なくありません。
多くの方にとって、ご家族の死後の手続きは初めての経験です。混乱するのは当然のことです。また、ご自身が高齢になられて「もしものとき、家族にどんな手続きをしてもらうことになるのだろう」と考える方もいらっしゃるでしょう。
本日は、大切なご家族が亡くなった場合の手続きについて、セレモニー(儀式)と事務手続きの両面から完全解説いたします。特に死亡後14日以内に集中する役所の手続きは、手続きごとに「期限・窓口・持ち物・注意点」を整理し、チェックリストと14日以降の期限一覧も用意しました。最後までお読みいただければ、いざという時に慌てずに対応できるようになります。
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▶ あわせて確認:相続登記の費用はいくら?内訳と司法書士報酬の相場/沖縄で相続の相談はどこにする?相談先の使い分けと流れ
大切な方が亡くなったときの全体像
ご家族が亡くなった後、大きく分けて2つの側面があります。
- セレモニー(儀式)の流れ
- 事務手続き
それぞれ解説します。
セレモニー(儀式)の一般的な流れ
一般的なセレモニーは以下のような流れで進みます。
- 臨終・死亡確認
- ご遺体の安置
- 葬儀の準備
- 通夜
- 告別式
- 火葬
- 初七日・四十九日・一周忌
最近では、通夜と告別式を一緒に行ったり、家族葬で規模を縮小したりと、形式も多様化しています。ご家族のご意向や故人の遺志に応じて、適切な形を選ぶことが大切です。
事務手続きの全体像
セレモニーと並行して、様々な事務手続きが必要になります。これらの手続きには期限が定められているものが多く、計画的に進める必要があります。
私たちが実務でお伝えしているのは、「最初の14日間は役所・年金・保険、その後は相続」という二段構えで考えることです。次の章で、期限ごとに詳しく解説していきます。
期限別:死亡後14日以内に必要な手続き一覧
死後の事務手続きには、法律で定められた期限があります。ここでは死亡後14日以内に期限が来る手続きを中心に、手続きごとに「窓口・持ち物・注意点」を見ていきましょう。
① 死亡診断書(死体検案書)の受け取り【すみやかに】
死亡診断書は、医師が作成する書類です。病院で亡くなった場合は担当医が、自宅で亡くなった場合はかかりつけ医や警察が指定した医師が作成します(事件性の確認が必要な場合は「死体検案書」)。用紙の左半分が「死亡届」、右半分が「死亡診断書」という一体の様式が一般的です。
窓口:亡くなった病院・医師。注意:死亡届の提出で原本は役所に渡してしまうため、提出前に必ず5〜10部コピーを取ってください。年金・保険・銀行・生命保険など、後の手続きのほとんどで死亡の証明が求められます。
② 死亡届の提出と火葬許可証の受け取り【7日以内】
死亡届は、ご家族が記入する書類です。戸籍法により、死亡の事実を知った日から7日以内(国外で亡くなった場合は3か月以内)に提出しなければなりません。届出人は同居の親族が基本ですが、同居していない親族や後見人・任意後見人も届出できます。
窓口:故人の死亡地・本籍地、または届出人の所在地のいずれかの市区町村役場。持ち物:死亡診断書と一体になった死亡届、届出人の本人確認書類。注意:死亡届を提出すると火葬許可証が発行され、これがないと火葬ができません。火葬後に押印された許可証は納骨時の「埋葬許可証」になるので、骨壺と一緒に保管してください。
多くの葬儀社は、これらの書類の提出代行サービスを提供しています(死亡届の記入はご家族が行う必要がありますが、提出は代行可能です)。
③ 年金受給権者死亡届と未支給年金の請求【厚生年金10日・国民年金14日以内】
故人が年金を受給していた場合、年金受給権者死亡届(報告書)の提出が必要です。期限は厚生年金は死亡後10日以内、国民年金は14日以内です。
- 厚生年金:死亡後10日以内
- 国民年金:死亡後14日以内
- 日本年金機構にマイナンバーが収録されている方:死亡届は原則省略可(ただし未支給年金の請求は別途必要)
窓口:年金事務所または街角の年金相談センター(郵送可。障害基礎年金・遺族基礎年金のみの受給者は市区町村役場)。持ち物:故人の年金証書、死亡を証明する書類、請求者のマイナンバー確認書類、続柄が分かる戸籍謄本、生計同一を示す書類、振込先口座の通帳。注意:年金は亡くなった月の分まで受け取る権利があり、未振込分は「未支給年金」として、生計を同じくしていた配偶者→子→父母→孫→祖父母→兄弟姉妹→3親等内の親族の順で請求できます。死亡届と請求書は一体の様式なので同時に済ませましょう。
「マイナンバーで自動的に止まるから何もしなくていい」と誤解されている方が多いのですが、未支給年金の請求は自動では行われません。逆に届出が遅れて振り込まれた分は返納が必要になります。
④ 健康保険の資格喪失届と保険証の返還【国保14日/会社の健康保険5日】
故人の健康保険は死亡日の翌日に資格を失います。加入していた制度によって手続きが変わります。
- 国民健康保険:世帯主が14日以内に市区町村役場へ資格喪失届を提出し、保険証(資格確認書)を返還します。那覇市では本庁舎のハイサイ市民課・各支所・国民健康保険課が窓口で、死亡を証明するものを持参します。75歳以上の方の後期高齢者医療被保険者証も同じ市区町村の窓口に返還します
- 会社の健康保険(協会けんぽ・健保組合):手続きをするのは勤務先(事業主)で、事実発生から5日以内に資格喪失届を提出します。ご家族は保険証や高齢受給者証を勤務先に返却してください
注意:会社の健康保険の被扶養者だった配偶者や子は、故人の死亡で資格を失うため、14日以内に国民健康保険への加入が必要です。この「自分の保険証をどうするか」を忘れて無保険期間ができるケースが実務では少なくありません。
⑤ 介護保険の資格喪失届と被保険者証の返還【14日以内】
故人が65歳以上(または40〜64歳で要介護認定を受けていた)場合、介護保険の被保険者証を市区町村に返還します。介護保険法施行規則により、資格を失ったときは14日以内に届出をすることになっています。
窓口:市区町村の介護保険担当課(那覇市はちゃーがんじゅう課。おくやみコーナーでもまとめて受付)。持ち物:介護保険被保険者証、負担割合証、届出人の本人確認書類。注意:保険料は月割で再計算され、納めすぎた分は還付、不足分は納付書が届きます。還付金の受取口座を聞かれるので通帳を持参すると一度で済みます。
⑥ 世帯主変更届【14日以内】
世帯主が亡くなったときに必要
世帯主が亡くなった場合、住民基本台帳法により、変更があった日から14日以内に新しい世帯主を市区町村役場へ届け出る必要があります。
窓口:住所地の市区町村役場の住民窓口(那覇市はハイサイ市民課・各支所)。持ち物:届出人の本人確認書類、国民健康保険証(世帯主が変わると記載が変わるため)。注意:残された世帯員が1人だけなど次の世帯主が明らかな場合は届出不要とされるのが一般的ですが、扱いは窓口で確認してください。死亡届の提出時に「世帯主変更は必要ですか」と一言聞くのがおすすめです。
⑦ マイナンバーカード・運転免許証・パスポートなどの返納【すみやかに】
公的な身分証は、悪用防止のために早めに返納・失効させておくと安心です。
- マイナンバーカード:死亡届が受理されると住民票が除かれ、カードは使えなくなります。返納の扱いは市区町村で案内が異なるため、死亡届の提出時やおくやみコーナーで確認してください。相続手続きで故人のマイナンバーを求められることがあるので、番号を控えてから返納すると安心です
- 運転免許証:ご家族に返納する義務はありません(警視庁の案内)。ただし有効期限内は更新連絡書が届き続けるため、返納する場合は警察署や運転免許センターへ、免許証・死亡を確認できる書類・手続きする方の本人確認書類を持参します
- パスポート:故人のパスポートと死亡が確認できる戸籍謄本などを、都道府県の申請窓口(沖縄県では県旅券センターや市町村のパスポート窓口)に提出して失効手続きをします
- その他:障害者手帳、後期高齢者医療の限度額適用認定証、印鑑登録証なども市区町村の各窓口に返還します
⑧ 公共料金・携帯電話・クレジットカードの名義変更や解約【できるだけ早く】
法律上の期限はありませんが、以下のような契約は放置すると料金が課金され続けてしまいます。
- 携帯電話・スマートフォン
- インターネット回線
- 動画配信サービス(Netflix、Amazon Primeなど)
- 電気・ガス・水道・NHK
- クレジットカード
- 定期購読サービス
窓口・持ち物:各事業者のカスタマーセンター(電話・Web)。死亡診断書のコピーや戸籍謄本、手続きする方の本人確認書類を求められます。注意:電気・ガス・水道は、ご家族が住み続けるなら「解約」ではなく「名義変更」です。故人名義の口座は凍結されると引き落としが止まって督促が来るため、引落口座の変更を先に行ってください。
特に注意したいのがデジタル遺産です。スマートフォンやパソコンには、写真や動画、メールなど、故人の大切な思い出が詰まっています。また、ネット銀行やオンライン証券口座など、資産価値のあるデータも含まれている可能性があります。
解約する前に、必ずデータのバックアップを取っておきましょう。iPhoneには家族が故人のデータにアクセスできる特別な手続きもあるそうですので、詳しくはAppleサポートにお問い合わせください。
なお、故人名義の銀行口座は、死亡が銀行に伝わると凍結されます。「凍結される前に引き出しておこう」と考える方がいますが、これは後の相続トラブルの火種になります。詳しくは相続前の親の預金は引き出しNG!トラブル行為3選をご覧ください。
14日以内の手続きチェックリスト
ここまでの内容を、実際に窓口へ行く前に確認できるチェックリストにまとめました。印刷して、済んだものから消していってください。
- □ 死亡診断書を受け取り、提出前に5〜10部コピーした
- □ 死亡届を7日以内に提出し、火葬許可証(火葬後は埋葬許可証)を保管した
- □ 年金受給権者死亡届と未支給年金請求書を年金事務所に提出した(厚生年金10日・国民年金14日)
- □ 国民健康保険の資格喪失届を出し、保険証(後期高齢者医療の方はその被保険者証)を返還した(14日)
- □ 会社の健康保険なら勤務先に連絡し、保険証を返却した(事業主が5日以内に届出)
- □ 被扶養者だった家族の国民健康保険への加入手続きをした(14日)
- □ 介護保険被保険者証を返還し、保険料の精算口座を伝えた(14日)
- □ 世帯主変更届を出した、または不要であることを窓口で確認した(14日)
- □ マイナンバーカード・免許証・パスポート等の返納や失効手続きをした
- □ 公共料金の名義・引落口座を変更し、携帯・サブスク・クレジットカードを整理した
- □ 遺言書の有無を確認し、相続放棄が必要かどうか(借金・保証人)の見当をつけた
司法書士として特に強調したいのが最後の項目です。役所の手続きは遅れても取り返しがつきますが、相続放棄の3か月だけは過ぎると原則やり直せません。次の章で解説します。
14日を過ぎてからの期限一覧(1か月〜5年)
役所の手続きが一段落した後に始まるのが、相続・税金・給付金の手続きです。期限は「亡くなった日」ではなく「相続を知った日」「葬儀を行った日」など起算日がばらばらなので、一覧で押さえておきましょう。
| 期限 | 手続き | 窓口 | 関連記事 |
|---|---|---|---|
| すみやかに(未支給分は6か月以内) | 雇用保険受給資格者証の返還・未支給失業等給付の請求 | 故人の住所地を管轄するハローワーク | — |
| 3か月以内(相続を知った時から) | 相続放棄・限定承認の申述 | 故人の最後の住所地の家庭裁判所 | 相続放棄の費用 |
| 4か月以内(相続を知った日の翌日から) | 所得税の準確定申告 | 故人の納税地の税務署 | —(税理士へ) |
| 10か月以内(相続を知った日の翌日から) | 相続税の申告・納税 | 故人の住所地の税務署 | —(税理士へ) |
| 1年以内(侵害を知った時から) | 遺留分侵害額請求 | 相手方への請求(内容証明等) | 遺留分の対策 |
| 2年以内(葬祭日・死亡日等の翌日から) | 葬祭費(国保・後期高齢)/埋葬料(会社の健康保険)/高額療養費/国民年金の死亡一時金 | 市区町村役場/協会けんぽ・健保組合/年金事務所 | — |
| 3年以内(相続で取得を知った日から) | 相続登記(2024年4月から義務化) | 不動産所在地の法務局 | 相続登記の義務化 |
| 5年以内 | 遺族年金・未支給年金の請求 | 年金事務所・年金相談センター | — |
相続放棄・限定承認(3か月)
故人に借金や連帯保証がある場合、相続人は「自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内」に、故人の最後の住所地の家庭裁判所へ相続放棄または限定承認を申述しなければなりません(民法915条。収入印紙は申述人1人800円)。3か月以内に財産調査が終わらないときは期間の伸長を申し立てることもできます。「一部の財産を使ってしまうと放棄できなくなる」など落とし穴が多いので、相続放棄の罠と後悔しない手続き方法をあわせてお読みください。準確定申告(4か月)と相続税(10か月)は、税理士にご相談ください。
葬祭費・埋葬料・高額療養費・死亡一時金(2年)
「申請しないともらえないお金」がこのグループです。国保・後期高齢者医療の加入者なら葬儀を行った方に葬祭費(那覇市の国保は25,000円・葬祭日から2年)、会社の健康保険なら埋葬料5万円が支給されます。亡くなる前の入院で医療費が高額になった月があれば、高額療養費を相続人が請求できます(診療月の翌月1日から2年)。国民年金の第1号被保険者として36か月以上納めた方が老齢・障害基礎年金を受けずに亡くなり、遺族基礎年金を受けられる遺族がいない場合は死亡一時金(12万〜32万円)を死亡日の翌日から2年以内に請求できます。
相続登記(3年・2024年4月から義務化)
2024年4月1日から相続登記が義務化され、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に登記申請をしないと、正当な理由がない限り10万円以下の過料の対象になります。2024年4月より前に発生した相続で未登記のものは2027年3月31日までが期限です。遺産分割がまとまらない場合でも「相続人申告登記」で義務を果たせます。沖縄では名義が何代も前のまま放置された土地が多く、私たちの事務所でも相談が急増しています。詳しくは相続登記の義務化はいつから?過料10万円の実際と2027年3月期限の対処法と相続登記の必要書類【ケース別一覧表】をご覧ください。
手続きを放置するとどうなるか
「悲しくて何もする気になれない」というお気持ちは当然です。ただ、放置した場合に何が起きるかを知っておくと、優先順位がつけやすくなります。実務で実際に起きているトラブルを3つ挙げます。
年金の過払いと返還請求
年金の死亡届が遅れると、亡くなった月の翌月以降の年金も故人の口座に振り込まれ続け、後日、日本年金機構から返納を求められます。口座が凍結されていて返せない、すでに生活費に使ってしまった、というご相談が多いのですが、返納義務は消えません。
保険証の使用トラブル
被扶養者だったご家族が、資格を失った保険証で「まだ使える」と思って受診してしまい、後から医療費の保険負担分を返還するよう求められるケースがあります。被扶養者は故人の死亡と同時に資格を失いますので、14日以内に国民健康保険へ加入するか、ご自身の勤務先の健康保険に入る手続きをしてください。
相続放棄の期限の失念
最も取り返しがつかないのがこれです。3か月を過ぎると、原則として故人の借金や保証債務をすべて引き継いだ(単純承認した)ことになります。「借金があるとは知らなかった」場合に例外的に放棄が認められることもありますが、裁判所の判断次第です。故人宛ての督促状や借入の心当たりがあれば、14日以内の手続きと並行して、まず司法書士か弁護士にご相談ください。
スムーズな手続きのために重要なこと
パターン別:会社員の父/自営業の親/年金受給中の親で違うポイント
亡くなった方の立場によって、優先すべき手続きが少し変わります。
- 会社員(在職中)の父:まず勤務先へ連絡。資格喪失届は会社が5日以内に行い、未払い給与や死亡退職金の有無も会社に確認します。被扶養者だった家族は14日以内に国保加入へ。遺族厚生年金の対象になることが多いので年金事務所へ
- 自営業の親:国保・国民年金なので役所の手続きが中心。事業所得があれば準確定申告(4か月)が必要で、事業の債務や保証が残っていないかを3か月以内に調べて相続放棄の要否を判断します。会社経営者なら社長が亡くなったら家族の相続はどうなる?もご覧ください
- 年金受給中の親:年金の死亡届と未支給年金請求が最優先。介護保険・後期高齢者医療の返還、高額療養費の請求もセットで。配偶者が残る場合は遺族年金の対象かを年金事務所で確認し、不動産があれば相続登記の3年を意識します
キーパーソンを決める
一連の手続きを進めるにあたって、中心となって動く方(キーパーソン)を決めることが大切です。通常は、長男・長女など、故人と近い関係にあった方が務めることが多いでしょう。
ただし、多くの方にとって、これらの手続きは初めての経験です。すべてを一人で抱え込む必要はありません。
葬儀社の選定が成功の鍵
実は、葬儀社選びが非常に重要です。なぜなら、葬儀社はセレモニーだけでなく、様々な事務手続きについても熟知しているからです。
良い葬儀社は以下のようなサポートをしてくれます。
- 死亡届の提出代行
- 火葬許可証の取得代行
- 必要な手続きの案内
- 各種書類の準備サポート
葬儀社の選び方
葬儀社を選ぶ際は、一般的なビジネスの業者選定と同じように考えましょう。
- 実績:これまでの施行件数や評判
- 費用:明確な見積もりと内訳
- 信頼性:丁寧な説明と誠実な対応
- サポート範囲:どこまで代行してくれるか
全国規模で展開している大手葬儀社と、地域に根ざした地元の葬儀社があります。2〜3社から話を聞いて比較検討することをお勧めいたします。
良くない葬儀社の場合、段取りが遅れる・費用が割高になる・追加料金が次々と発生する、といった問題が起こることがあります。信頼できる葬儀社を選ぶことが、ご家族の負担を大きく軽減します。
葬儀費用の目安
葬儀費用は、規模や形式によって大きく異なります。
- 家族葬(小規模):50万円前後
- 一般的な葬儀:100万円〜300万円
- 大規模な葬儀:300万円以上
最近では、ご自身が元気なうちに、自分の葬儀の内容や規模を決めて予約される方も増えています。
「元気なうちに準備する」という選択
生前予約が増えている理由
最近、ご自身が元気なうちに葬儀の内容を決めておく「生前予約」をされる方が増えています。
- 子どもがいない:自分が亡くなった時に人に迷惑をかけたくない
- 家族に負担をかけたくない:子どもはいるが、できるだけ負担を減らしたい
- 自分の意思を反映したい:自分の希望する形で送ってもらいたい
生前予約では、以下のようなことを事前に決めておきます。
- 葬儀の規模と形式
- 使用する棺や骨壺
- 喪主や参列者の範囲
- 遺骨の納め方
- 葬儀費用の支払い方法
死後事務委任契約という選択肢
さらに、亡くなった後の事務手続きを専門家に依頼する死後事務委任契約という制度もあります。
この契約では、以下のような内容を司法書士などの専門家に委任できます。
- 葬儀の手配と実施
- 死亡届などの各種届出
- 遺品整理
- 携帯電話やインターネットなどの解約
- 施設費用の清算
- その他、亡くなった後の事務全般
家族がいない方はもちろん、家族がいても「できるだけ負担をかけたくない」という理由で、このような契約をされる方もいらっしゃいます。
死後事務委任契約は、遺言書の作成や任意後見契約(認知症などで判断能力が低下した時の財産管理)と組み合わせて利用されることも多く、人生の最期まで自分らしく過ごすための総合的なサポートとなります。任意後見の仕組みは任意後見制度とは?法定後見との違いと費用で詳しく解説しています。
市区町村の「おくやみコーナー」を活用しよう
多くの市区町村役場には、「おくやみコーナー」が設置されています。ここでは、ご家族が亡くなった後に必要な手続きの一覧や案内を受けられます。
おくやみコーナーでは、以下のようなサポートが受けられます。
- 必要な手続きのチェックリスト配布
- 各手続きの窓口案内
- 書類の書き方説明
- ワンストップでの手続き対応(自治体によって異なります)
沖縄県内では、那覇市(本庁舎1階ハイサイ市民課内・来庁3日前までの予約制)と宜野湾市(2022年5月開設・2営業日前までの予約制)が公式サイトでおくやみコーナーを案内しており、どちらも亡くなった方の住民登録がその市にある場合に利用できます。
まずはお住まいの市区町村のウェブサイトで「おくやみコーナー」や「死亡に関する手続き」を検索してみてください。多くの自治体が詳しい情報を掲載しています。
よくある質問
14日を過ぎてしまったら罰則はありますか?
死亡届(7日)や世帯主変更・国保・介護保険の届出(14日)は、法律上は過料の規定がありますが、実務上は遅れた理由を説明して届出をすれば受理され、直ちに過料が科されることはほとんどありません。ただし年金の死亡届は、遅れた分が過払いになって返還を求められる「実害」があるので、気づいた時点ですぐ手続きしてください。なお相続放棄の3か月と相続登記の3年(過料10万円以下)は性質が異なり、過ぎると本当に不利益が生じますのでご注意ください。
県外に住んでいて、沖縄の役所に行けません。どうすればいいですか?
死亡届は届出人の所在地の役所でも提出できます。国保・介護保険の資格喪失届や葬祭費の申請は郵送やオンライン申請に対応している自治体が多く(那覇市の葬祭費はオンライン申請可)、年金の死亡届・未支給年金請求も郵送で年金事務所に送れます。現地対応が必要なものは、沖縄の親族に委任するか、司法書士などに死後事務や相続手続きをまとめて依頼する方法があります。費用の目安は相続手続きの丸投げ費用はいくら?をご覧ください。
おくやみコーナーがある沖縄の市町村はどこですか?
2026年8月時点で公式サイトから確認できたのは、那覇市(本庁舎1階ハイサイ市民課・3日前までに予約)と宜野湾市(2営業日前までに予約)です。沖縄市・うるま市は「手続きナビ」で必要な手続きを自分で確認できます。このほかの市町村でも、市民課で「亡くなった方の手続きをまとめて教えてほしい」と伝えれば案内を用意している自治体が多いので、お住まいの市町村のサイトでご確認ください。
心に留めておきたいこと
私が好きな映画に、ディズニーの『リメンバー・ミー』という作品があります。この映画では、死後の世界を明るく楽しく描いているのですが、印象的な一言があります。
「人は二度死ぬ。一度目は肉体が滅びるとき。二度目は生きている人から忘れられたとき。」
今日は事務的な手続きについて解説してきましたが、大切なご家族は、私たちの記憶の中で生き続けます。手続きを進める中で、故人との思い出を振り返り、その存在を心に刻むことも、とても大切な時間だと思います。
▶ あわせて確認:司法書士が警告!相続放棄の罠と後悔しない手続き方法/相続登記の義務化はいつから?過料10万円の実際と2027年3月期限の対処法
まとめ
本日は、大切なご家族が亡くなった場合の手続きについて解説してまいりました。
- 7日以内:死亡届の提出、火葬許可証の取得(死亡診断書は提出前にコピー)
- 10〜14日以内:年金の死亡届と未支給年金請求、健康保険・介護保険の資格喪失、世帯主変更届
- なるべく早く:身分証の返納、各種契約の名義変更・解約、デジタル遺産の保護
- 14日の後:相続放棄3か月・準確定申告4か月・相続税10か月・給付金2年・相続登記3年・遺族年金5年
- 放置の実害:年金の返還請求、保険証の使用トラブル、相続放棄の期限切れ
- 葬儀社選びとおくやみコーナー:手続きに詳しい味方を早く見つける
- 元気なうちの準備:生前予約や死後事務委任契約という選択肢もある
- 故人の記憶を大切に:事務手続きと並行して、思い出を振り返る時間も大切
多くの手続きには期限があり、悲しみの中でも対応しなければなりません。しかし、一つひとつ確実に進めていけば、必ず乗り越えられます。
ご不安な点やご不明な点がございましたら、どうぞお気軽にレスター司法書士法人にご相談ください。葬儀から相続手続き、死後事務委任まで、トータルでサポートさせていただきます。
本記事の内容は、YouTube動画『親の死後「14日以内」にすべきこと 手続きガイド概要欄より配布中 #相続 #相続税 #終活』でも解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
LINE公式アカウントでは、亡くなった方の事務手続きチェックリストをご用意しております。いざという時のために、ぜひダウンロードしてご活用ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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