抵当権抹消登記申請書の書き方|記入欄10か所の記載例を司法書士が解説

抵当権抹消 申請書の書き方

皆様、こんにちは。レスター司法書士法人の日高憲一です。

住宅ローンを完済して金融機関から書類一式が届いたものの、「同封されていない申請書だけは自分で作らないといけないらしい」と気づいて、手が止まっていませんか。

抵当権抹消の手続きで、ご自身が一から作成する書類は「登記申請書」1枚だけです。銀行から届いた解除証書や委任状は、そこに添えるだけの書類にすぎません。つまり、この1枚さえ正確に書ければ手続きは通ります。

とはいえ、「原因」欄に何と書けばよいのか、「順位番号」はどこを見るのか、登録免許税はいくらと書くのか——見慣れない欄が並ぶと不安になるものです。実際、法務局から補正(書き直し)の連絡が入る原因の多くは、この申請書の記載ミスに集中しています。

本日は、法務局が公開している記載例をもとに、抵当権抹消登記申請書の記入欄10か所を上から順に、どこに何を書くのかを解説いたします。あわせて、迷いやすい「登記原因」の書き分けと、窓口で指摘されやすいポイントもご紹介いたします。

公式LINEで「相続チェックリスト」プレゼント!

レスター司法書士法人の公式LINEでは、相続に役立つチェックリストを無料プレゼントしています!

ほかにも、LINE限定の無料Zoom相談もご用意しておりますので、この機会にぜひご登録ください。

目次

抵当権抹消登記申請書とは|自分で作る唯一の書類

抵当権抹消登記申請書とは、「この不動産に付いている抵当権を消してください」と法務局(登記所)に申し出るための書面です。決まった書式があり、法務局のウェブサイトから様式と記載例をダウンロードできます。

ローンを完済すると、金融機関からは一般に次のような書類が届きます。

  • 登記識別情報通知(または登記済証)
  • 登記原因証明情報(解除証書・弁済証書などの表題がついた書面)
  • 委任状(金融機関から所有者への委任状)
  • 金融機関の資格を証する書面(登記事項証明書など)

お気づきのとおり、この中に「申請書」はありません。申請書だけは所有者ご自身(または代理人である司法書士)が作成するのが原則です。届いた書類は、申請書に添える「添付情報」という位置づけになります。

様式のダウンロード先は法務局の公式サイト

申請書の様式と記載例は、法務局の「不動産登記の申請書様式について」のページで公開されています。抵当権抹消については、次の2種類が用意されています。

同ページでは一太郎・Word・PDFの各形式が提供されており、Word版をダウンロードしてパソコンで入力するのが最も間違いが少ない方法です。市販の用紙を買う必要はありません。

用紙まわりのルールも同ページに明記されています。A4の用紙を使用し、他の添付情報と共に左とじで提出すること、文字はパソコン入力か黒色インク・黒色ボールペン等ではっきり書くこと、そして申請書が複数枚になる場合は各用紙のつづり目ごとに契印(割印)をすることが求められます。

手続き全体の流れを先に知りたい方へ

本記事は「申請書1枚の書き方」に絞った内容です。完済から書類の受け取り、法務局への提出、完了書類の受領までの流れ全体や、必要書類・費用の全体像については、別記事で解説しております。まだ全体像がつかめていない方は、先にそちらをご覧いただくと本記事の内容が入りやすくなります。

抵当権抹消登記申請書の書き方|記入欄10か所を上から順に

ここからは、法務局の記載例に沿って、申請書の記入欄を上から順に見ていきます。手元に「登記事項証明書(登記簿謄本)」と「金融機関から届いた書類一式」を並べながら読み進めていただくと、そのまま作成できます。

なお、用紙の一番上には受付シールを貼るスペースがあります。ここには何も記載しないのがルールですのでご注意ください。

1. 登記の目的|「抵当権抹消(順位番号後記のとおり)」

最初の欄には、何の登記を申請するのかを書きます。法務局の記載例では次のとおりです。

記載例

登記の目的  抵当権抹消(順位番号後記のとおり)

「順位番号後記のとおり」と書いたうえで、後述する「不動産の表示」欄の各不動産の末尾に「(順位番号 3番)」のように順位番号を添えます。不動産が複数ある場合は、それぞれの不動産の末尾に個別に記載します。

この順位番号は、登記記録の乙区(所有権以外の権利関係が記録されている部分)の順位番号です。登記識別情報通知や登記事項証明書で確認できます。「甲区」の番号ではありませんので、取り違えないようご注意ください。

2. 原因|抵当権が消滅した日と、その理由

最も迷いやすいのがこの欄です。書くのは「抵当権が消滅した日」+「消滅した原因」の2点です。

記載例

原   因  令和1年7月1日解除 (又は「弁済」等)

日付も原因の文言も、ご自身で判断して決めるものではありません。金融機関から届いた登記原因証明情報(解除証書・弁済証書など)に書かれているとおりに書き写すのが原則です。この書き分けについては、次の章で詳しく解説いたします。

3. 権利者|現在の所有者の住所・氏名

抵当権が消えることで利益を受ける側、つまり不動産の現在の所有者の住所と氏名を記載します。

ここで極めて重要なのが、この住所・氏名は登記記録(登記事項証明書)に記録されているとおりでなければならないという点です。法務局の記載例でも、一致していない場合は事前に登記記録上の住所・氏名を現在のものに変更する登記が必要になる、と明記されています。

住宅ローンを組んでから完済までの間に引っ越しをされた方、結婚などで姓が変わった方は、この点が最初の関門になります。2026年(令和8年)4月1日からは住所・氏名の変更登記が義務化されていますので、この機会にあわせて整理しておくのが安心です。

4. 義務者|金融機関の住所・名称・代表者

抵当権を失う側、つまり抵当権者である金融機関の情報を記載します。記載するのは、住所・名称・会社法人等番号・代表者の氏名です。

記載例

義 務 者  〇〇市〇〇町二丁目12番地
       株式会社〇〇銀行
       (会社法人等番号 1234-56-789012)
       代表取締役 〇〇〇〇

この欄には、実務上おさえておきたい2つのルールがあります。

  1. 会社法人等番号を書けば、登記事項証明書の添付を省ける……逆に、金融機関の登記事項証明書(作成後3か月以内のものに限ります)を添付する場合は、会社法人等番号の記載は不要とされています
  2. 登記記録上の名称・住所と現在の名称・住所が違う場合は、つながりを証明する書面が必要……金融機関の合併や商号変更があったケースです。登記記録上の住所・名称から現在までの変更の経過が分かる登記事項証明書(履歴事項証明書、閉鎖事項証明書、閉鎖謄本等)を添付します

沖縄県内でも金融機関の統合・商号変更は起きています。抵当権を設定したときの銀行名と、いま書類を送ってきた銀行名が違う場合は、この2番目のパターンに当たる可能性が高いと考えられます。届いた書類にどの証明書が含まれているか、まず確認してみてください。

5. 添付情報|4つの用語で書く

添えて提出する書類を、決まった用語で列挙する欄です。銀行から届いた書類の表題そのまま(「解除証書」など)ではなく、登記手続上の呼び名で書きます。

記載例

添付情報
 登記識別情報(又は登記済証)  登記原因証明情報
 会社法人等番号         代理権限証明情報

それぞれ、実際に手元にある書類との対応は次のとおりです。

  • 登記識別情報(又は登記済証)……抵当権者である金融機関の権利証にあたるもの。登記識別情報を記載した書面は封筒に入れて封をして提出し、封筒には抵当権者の名称と登記の目的、登記識別情報を記載した書面が在中する旨を明記します
  • 登記原因証明情報……抵当権が消滅したことを証する書面。銀行が作成した解除証書・弁済証書などがこれにあたります
  • 会社法人等番号……義務者欄に番号を書いた場合に記載します。金融機関の登記事項証明書を添付する場合は、代わりに「登記事項証明書」と記載します
  • 代理権限証明情報……金融機関から所有者宛てに届いた委任状のことです

なお、登記済証(権利証)の原本を提出した場合は、登記完了後に返却される取扱いとされています。

6. 登記識別情報を提供できない理由|チェック欄の使い方

様式には「登記識別情報(又は登記済証)を提供することができない理由」というチェック欄があり、□不通知/□失効/□失念/□管理支障/□取引円滑障害/□その他が並んでいます。

通常どおり金融機関から登記識別情報が届いている場合、この欄は何も触らずに空欄のままにします。

提供できない事情がある場合は該当する□にチェックを入れますが、その際は先ほどの添付情報欄に「登記識別情報(又は登記済証)」と書いてはいけません。提供できないと言いながら添付すると書いている、という矛盾になるためです。ここは記載例でもわざわざ注意書きがされている箇所で、実際に補正を招きやすいポイントです。

7. 申請年月日と、申請する法務局

実際に申請書を提出する日付と、提出先の法務局名を記載します。

記載例

令和1年7月1日申請  〇〇 法務局(又は地方法務局)〇〇支局(又は出張所)

ここに書くのは、お住まいの近くの法務局ではなく、その不動産の所在地を管轄する法務局です。管轄はあらかじめ決まっており、法務局の「管轄のご案内」で確認できます。支局・出張所まで含めて正確に書きます。

8. 申請人兼義務者代理人と連絡先の電話番号

「申請人兼義務者代理人」という耳慣れない肩書きが並びますが、これは権利者(所有者)本人であると同時に、金融機関から委任を受けた代理人でもあるという意味です。所有者ご自身で申請する場合、ここにはご自身の住所・氏名を書き、氏名の末尾に認印を押します。実印である必要はありません。

この住所・氏名は、3で書いた権利者欄の記載と一致している必要があります。

その下の「連絡先の電話番号」は、申請書に補正すべき点があったときに登記所の担当者から連絡するための番号です。平日の日中に連絡を受けられるものを書きます。携帯電話の番号でも差し支えありません。お勤めの方が自宅の固定電話を書いてしまうと、補正の連絡がつかず手続きが止まる原因になりますので、つながる番号を選んでください。

9. 登録免許税|不動産1個につき1,000円

抹消の登記の登録免許税は、法務局の記載例において土地又は建物1個につき1,000円と示されています。ただし、20個以上の不動産について同一の申請書により抹消の登記をするときは20,000円となります。

「1件につき」ではなく「1個につき」である点が要注意です。よくあるのが土地1筆+建物1棟の戸建てで、この場合は2個ですので金2,000円となります。法務局の記載例も、まさにこの2,000円のケースで作られています。

登録免許税の数え方の例
  • 土地1筆+建物1棟の戸建て → 2個 → 2,000円
  • 土地が2筆にまたがる戸建て(土地2筆+建物1棟) → 3個 → 3,000円
  • 20個以上をまとめて1通の申請書で抹消する場合 → 20,000円

納付方法にも決まりがあります。収入印紙で納付する場合は、印紙を貼り付けた用紙を申請書と一括してつづり、つづり目に必ず契印をします。このとき、収入印紙に割印や消印はしないでください。現金納付の場合は、領収書を貼り付けた用紙を同じようにつづります。

なお、司法書士に依頼した場合の報酬は、この登録免許税とは別にかかります。金額は事務所によって異なりますので、費用の考え方については別記事にまとめております。

10. 不動産の表示|登記記録どおりに正確に

最後の欄には、抹消の対象となる不動産を、登記記録(登記事項証明書)に記録されているとおりに正確に記載します。手元の固定資産税の納税通知書や売買契約書の表記とは異なることがありますので、必ず登記事項証明書を見ながら書き写してください。

記載例(土地・建物)

不動産の表示
 不動産番号 1234567890123
 所   在 〇〇市〇〇町一丁目
 地   番 5番
 地   目 宅地
 地   積 250・00平方メートル
   (順位番号 3番)

 不動産番号 0987654321012
 所   在 〇〇市〇〇町一丁目5番地
 家 屋 番 号 5番
 種   類 居宅
 構   造 木造かわらぶき平家建
 床 面 積 120・53平方メートル
   (順位番号 3番)

作業を楽にするコツがひとつあります。不動産番号を記載した場合は、土地の所在・地番・地目・地積(建物の場合は所在・家屋番号・種類・構造・床面積)の記載を省略できるとされています。13桁の番号を正確に書き写せば、面積などの転記ミスの余地そのものを減らせるわけです。

ただし、順位番号は省略できません。それぞれの不動産の末尾に「(順位番号 3番)」の記載は必要です。

「原因」欄の書き分け|弁済・解除・主債務消滅の違い

申請書のなかで、ご相談を受けることが最も多いのが登記原因の書き方です。抵当権が消滅した理由によって使う言葉が変わり、これを取り違えると添付する解除証書と食い違ってしまいます。

結論:金融機関の書面に書かれているとおりに書く

先に結論を申し上げます。原因欄は、金融機関から届いた登記原因証明情報(解除証書・弁済証書など)に記載された文言と日付を、そのまま書き写すのが原則です。

登記原因は、当事者が好みで選ぶものではなく、実際に権利が消滅した事実に対応するものです。そして、その事実を証明するのが金融機関の作成した書面です。書面と申請書がずれていれば、法務局はどちらが正しいのか判断できません。以下の解説は「届いた書面にどう書いてあるかを読み取るため」の知識としてお読みください。

弁済|借入金を返し終えたことで消滅した場合

住宅ローンを完済した、というケースで用いられる文言です。借りたお金を返し終えたことで担保する債務がなくなり、その結果として抵当権も消滅した、という筋道になります。

日付は、原則として最終返済日(完済した日)です。書面には「弁済証書」といった表題が付いていることが多く、そこに完済日が記載されています。

解除|抵当権設定契約そのものを解除した場合

法務局の記載例が標準として採用しているのが、この「解除」です。記載例の注記でも、債務を完済し、令和1年7月1日に抵当権の設定契約が解除されて抵当権が消滅したときは「令和1年7月1日解除」と記載する、と説明されています。

実務では、完済の事実を受けて金融機関が抵当権設定契約を解除するという流れをとることが多く、その場合の書面は「解除証書」という表題になります。完済日と解除日が数日ずれることもあり、その場合に書くのは解除証書に記載された解除の日です。「完済したのは先月なのに、書面の日付が今月になっている」というのは、誤りではなくこの理由によることが多いと考えられます。

主債務消滅|保証会社が関わる場合などに登場する

担保されていた主たる債務が消滅したことを原因とする書き方です。保証会社が抵当権者になっているケースなど、債務の構造が二重になっている場合の書面で見かけることがあります。

この文言が書面に出てきた場合も、対応はこれまでと同じです。書面の文言をそのまま申請書に書き写します。「弁済」と書き換えたほうが分かりやすいのではないか、と判断して直してしまうと、かえって食い違いを生みます。

書面が見当たらない・文言が読み取れないとき

登記原因証明情報が手元にない場合、まずは金融機関にお問い合わせください。法務局の記載例にも、銀行等の金融機関が抵当権者となっている場合は通常、解除証書や弁済証書等が金融機関から送られてくるため、送られていない場合は金融機関に尋ねるように、と明記されています。

ご自身で文言を推測して書くのは避けるのが賢明です。個別の事情によって適切な原因は異なりますので、判断に迷われた場合は司法書士にご相談ください。

マンション(敷地権付き区分建物)の申請書はどこが違うか

分譲マンションの場合、法務局は専用の記載例を別に用意しています。違いが出るのは「不動産の表示」欄だけで、他の欄の書き方は戸建てと同じです。

不動産の表示欄は、次の3段構えになります。

  1. 一棟の建物の表示……所在、建物の名称(マンション名)
  2. 専有部分の建物の表示……家屋番号、建物の名称(部屋番号)、種類、構造、床面積。ここの末尾に「(順位番号 3番)」を記載します
  3. 敷地権の表示……符号、所在及び地番、地目、地積、敷地権の種類

登録免許税についても、法務局の記載例では金2,000円となっています。専有部分の建物と、敷地権の目的である土地とを合わせて数えることになるためです。「マンションは部屋ひとつだから1,000円」と早合点しないようご注意ください。

ただし、敷地が複数の筆にまたがっているマンションでは個数がさらに増えることがあります。個数の数え方は登記記録の内容によって変わりますので、登記事項証明書を取得して確認するのが確実です。沖縄県内でも、複数筆の土地の上に建てられた物件は珍しくありません。

法務局で指摘されやすい補正ポイント5つ

申請書に不備があると、法務局から連絡が入り、書き直しや追加提出(補正)を求められます。当事務所でご相談をお受けするなかでも、つまずきどころはある程度決まっています。提出前のチェックリストとしてお使いください。

1. 権利者欄の住所・氏名が登記記録と違う

最も多いパターンです。現住所を書いてしまうと、登記記録上の住所と一致しません。この場合、抵当権抹消の前提として住所(氏名)の変更登記が必要になり、手続きが2段構えになります。申請書を書き始める前に、まず登記事項証明書を取得して確認するのが遠回りに見えて近道です。

2. 順位番号の記載漏れ・取り違え

「登記の目的」に「順位番号後記のとおり」と書いたのに、不動産の表示欄に順位番号を書き忘れているケースです。また、乙区ではなく甲区の番号を書いてしまう、複数の抵当権が設定されていて番号を取り違える、といった例もあります。抹消したい抵当権が乙区の何番なのか、証明書上で指を置いて確認してください。

3. 添付情報欄とチェック欄の矛盾

前述のとおり、登記識別情報を提供できない旨のチェックを入れながら、添付情報欄に「登記識別情報(又は登記済証)」と書いてしまう矛盾です。会社法人等番号を書いたのに添付情報欄が「登記事項証明書」のまま、といった不一致も同じ類型です。

4. 契印の漏れ・収入印紙への消印

申請書が複数枚になる場合、つづり目ごとの契印が必要です。収入印紙を貼った用紙も申請書と一括してつづり、つづり目に契印をします。一方で、収入印紙そのものには割印・消印をしないのがルールです。良かれと思って押してしまう方がいらっしゃるので、あわせて覚えておいてください。

5. 連絡先の電話番号が未記載・つながらない

地味ですが実害の大きい不備です。補正の連絡は平日の日中に入ります。番号が書かれていない、あるいは日中は出られない番号だと、そこで手続きが止まったまま日数だけが過ぎていきます。特に郵送申請の場合、連絡がつかないことによる遅延は避けたいところです。

沖縄で申請する場合|那覇地方法務局への提出と郵送申請

沖縄県内の不動産については、那覇地方法務局とその管内の庁が管轄しています。申請書の「申請する法務局」欄には、この管内のどの庁かまで正確に書く必要があります。

管内は本局・4支局・1出張所

那覇地方法務局の管内には、次の庁が置かれています。

  • 那覇地方法務局(本局/那覇市樋川)
  • 沖縄支局(沖縄市知花)
  • 名護支局(名護市字宮里)
  • 宮古島支局(宮古島市平良)
  • 石垣支局(石垣市字登野城)
  • 宜野湾出張所(宜野湾市伊佐)

不動産の所在地によってどの庁が管轄するかが決まっていますので、「管轄のご案内」または那覇地方法務局のサイトでご確認ください。本島南部にお住まいでも、物件が中部にあれば提出先は沖縄支局、というように、住所ではなく物件の所在で決まります。

登記手続案内は事前予約制・1回20分以内

那覇地方法務局では、申請書の書き方や必要書類等の一般的な内容について案内する「登記手続案内」が用意されています。ただし、利用にあたっては次の点をおさえておく必要があります。

  • 事前予約制です。飛び込みで行っても案内を受けられるとは限りません
  • 1回の案内時間は20分以内とされています
  • 案内の対象は一般的な内容であり、申請書や添付書類の作成代行、申請書の形式的審査は行われません

ここが誤解されやすいところです。「法務局に行けば書いてもらえる」わけではありません。20分という枠を活かすには、記載例を見ながらご自身で一度書き上げたうえで、疑問点を絞って持ち込むのが現実的な使い方だと考えております。本記事の10項目を埋めてから予約されると、限られた時間を有効に使えるはずです。

離島・県外にお住まいの方は郵送申請という選択肢

沖縄県は離島が多く、宮古・八重山地域はもちろん、本島でも平日に法務局まで足を運ぶのが難しいという事情があります。進学や就職で本土に出られたまま、沖縄の実家の抵当権抹消が残っている、というご相談も少なくありません。

この場合、郵送による申請も可能です。法務局の案内では、次のように定められています。

  • 申請書を入れた封筒の表面に「不動産登記申請書在中」と記載のうえ、書留郵便により送付する
  • 登記完了時に還付を希望する書類や登記完了証の郵送による返却を希望する場合は、宛名を記載した返信用封筒と書留郵便のための郵券を同封する

郵送申請では窓口でその場で直してもらうことができません。だからこそ、連絡先の電話番号と、記載内容の事前チェックが一段と重要になります。

なお、オンラインでの申請も登記・供託オンライン申請システムを通じて可能ですが、事前の環境設定や電子署名の準備が必要になるため、1回限りの抵当権抹消のために整えるのは負担が大きいのが実情です。書面申請か、司法書士への依頼をご検討いただくのがよいかと存じます。

よくある質問

抵当権抹消登記申請書はどこでダウンロードできますか?

法務局のウェブサイト「不動産登記の申請書様式について」のページで公開されています。抵当権抹消については「抵当権抹消の場合」と「抵当権抹消(敷地権付き区分建物)の場合」の2種類があり、一太郎・Word・PDFの各形式が用意されています。

Word形式をダウンロードしてパソコンで入力し、A4用紙に印刷する方法が最も確実です。記載例のPDFには解説と注意事項が付いていますので、あわせて印刷して手元に置きながら作成されることをお勧めいたします。市販の用紙を購入したり、法務局の窓口まで様式をもらいに行ったりする必要はありません。

申請書は手書きでも構いませんか?

手書きでも申請できます。法務局の案内では、文字は直接パソコン(ワープロ)を使用して入力するか、黒色インク、黒色ボールペン、カーボン紙等ではっきりと書くこととされています。鉛筆や消えるボールペンは使えないとお考えください。

実務上は、パソコン入力をお勧めしております。不動産の表示や会社法人等番号など数字を正確に転記する箇所が多く、書き損じたときの修正が手書きでは手間になるためです。用紙はA4を使用し、添付情報と共に左とじで提出します。

押印はどの印鑑を使えばよいですか?印鑑証明書は必要ですか?

法務局の記載例では、申請人兼義務者代理人の氏名の末尾に認印を押すこととされています。所有者側について、実印や印鑑証明書が必ず必要になるものではないと考えられます。

ただし、これは一般的な取扱いであり、登記識別情報を提供できない場合など、事案によって求められる書類は変わります。個別の事情によって異なりますので、イレギュラーな事情がある場合は事前に管轄の法務局または司法書士にご確認ください。

土地と建物で申請書を分ける必要はありますか?

同じ管轄内にあり、同じ抵当権が設定されている土地と建物であれば、1通の申請書にまとめて記載するのが一般的です。法務局の記載例も、土地1筆と建物1棟を1通の申請書に並べて記載する形になっています。この場合の登録免許税は2個分の2,000円です。

一方、不動産の所在地の管轄が異なる場合は、管轄ごとに別々の申請書が必要になります。たとえば那覇市の物件と名護市の物件では提出先の庁が異なりますので、まとめることはできません。

銀行から届いた書類の日付が古いのですが、そのまま申請できますか?

登記原因証明情報(解除証書等)や委任状そのものに有効期限が定められているわけではないため、日付が古いことだけを理由に使えなくなるものではないと考えられます。原因欄には、その書面に記載された日付をそのまま書きます。

注意が必要なのは、金融機関の登記事項証明書を添付する場合です。法務局の記載例では作成後3か月以内のものに限るとされていますので、期限切れになっていないか確認してください。また、長期間放置している間に金融機関の合併や商号変更があったり、所有者の住所が変わっていたりすると、追加の書面が必要になります。書類が見つかったら早めに手続きされることをお勧めいたします。

まとめ

抵当権抹消登記申請書の書き方について解説してまいりました。要点を整理いたします。

  • 自分で作る書類は申請書1枚だけ。様式と記載例は法務局のサイトから無料でダウンロードできる(Word・PDF・一太郎)
  • 記入欄は10か所。登記の目的/原因/権利者/義務者/添付情報/登記識別情報を提供できない理由/申請年月日と法務局/申請人兼義務者代理人と連絡先/登録免許税/不動産の表示
  • 原因欄は金融機関の書面どおりに書き写すのが原則。「弁済」「解除」「主債務消滅」を自分の判断で選び直さない
  • 権利者欄と不動産の表示欄は、登記事項証明書のとおりに。住所が変わっていれば、先に住所変更登記が必要になる
  • 登録免許税は不動産1個につき1,000円(20個以上を同一の申請書で抹消するときは20,000円)。土地1筆+建物1棟なら2,000円
  • 補正を招きやすいのは、住所の不一致・順位番号・添付情報の矛盾・契印漏れ・連絡先の5点
  • 沖縄県内は那覇地方法務局の管内6庁が管轄。登記手続案内は事前予約制で1回20分以内、書類の作成代行は行われないため、書き上げてから持ち込むのが効率的

抵当権抹消の申請書は、記載例に沿って一つずつ埋めていけば、ご自身で作成できる書類です。一方で、住所や氏名が変わっている、所有者が亡くなっている、金融機関が合併している、書類を紛失したといった事情が加わると、前提となる別の登記が必要になり、難易度が一気に上がります。

「調べながら書いてみたけれど、この欄で合っているのか自信がない」という段階でご相談いただくのが、結果として最も早く片づくことが多いと感じております。

レスター司法書士法人では、窓口を一つにしてワンストップで対応しております。初回のご相談は無料で承っておりますので、ご不安な点やご不明な点がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

Contact

まずは、話してみてください。

初回相談は無料です。どんな小さなことでもお気軽にお声がけください。

Quick Call

098-987-1628

Office Hours

平日 8:30 – 17:30

監修者 司法書士 日高憲一

この記事の監修者

日高 憲一(レスター司法書士法人 代表社員司法書士)

沖縄県名護市出身。那覇市壺川で開業以来、相続登記・家族信託・渉外登記・事業承継など沖縄の登記・法務案件を幅広く手がける。実務経験20年・相続案件実績2,000件。

代表挨拶・事務所案内を見る

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次