不動産登記の費用はいくら?種類別の登録免許税と自分でできるかを司法書士が解説

不動産登記の費用

皆様、こんにちは。レスター司法書士法人の日高憲一です。

「不動産の登記にお金がかかるのは知っているけれど、いったいいくらぐらいなのか見当がつかない」。ご相談の場で、本当によくいただく声です。

それもそのはずで、ひとくちに不動産登記といっても、相続、売買、贈与、住宅ローンの完済、引っ越しにともなう住所変更と、場面はさまざまです。そして場面ごとに、かかる費用の桁が変わります。数千円で終わるものもあれば、数十万円になるものもあるのです。

さらに厄介なのは、インターネットで「登記費用の相場は◯◯万円」と書かれていても、それが自分のケースに当てはまるのかどうかが分からないことです。相場だけを見て安心したり、逆に不安になったりしてしまいます。

本日は、不動産登記の費用がどういう仕組みで決まるのかという「共通の骨組み」をお伝えしたうえで、登記の種類ごとの費用の目安と、自分で手続きできるかどうかの判断材料について解説いたします。

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目次

不動産登記の費用は「税金」と「報酬」の2層でできている

結論から申し上げます。不動産登記の費用は、性質のまったく違う2つの層でできています。

  1. 登録免許税:国に納める税金。金額は法律で決まっていて、誰が申請しても同じ
  2. 司法書士報酬:手続きを代行する専門家に支払う費用。事務所ごとに異なる

これに加えて、戸籍謄本や登記事項証明書などを取り寄せる実費が数千円から数万円かかります。見積書を見て「なぜこんなに項目が多いのか」と感じられるのは、この3つが混ざって並んでいるためです。

登録免許税は「誰に頼んでも同じ」

登録免許税は、登録免許税法で税率が定められた国税です。ご自身で申請しても、司法書士に依頼しても、金額は1円も変わりません。

ですから「登記費用を安くしたい」と考えたとき、登録免許税の部分で削れる余地は、原則としてありません。例外は、後ほど解説する軽減措置や免税措置の要件を満たす場合だけです。逆に言えば、この要件を満たしているのに使い忘れると、そのまま損になります。

司法書士報酬は「事務所によって異なる」

一方の司法書士報酬は、平成15年に一律の報酬基準が撤廃されており、現在は各事務所が自由に定めています。同じ登記でも事務所によって金額が違うのは、そのためです。

正直に申し上げると、「相場はいくらです」と一言で言い切れるものではありません。案件の難易度、不動産の個数、相続人の人数、書類収集をどこまで任せるかで作業量が大きく変わるからです。当事務所を含め、事務所ごとに料金の考え方も異なります。

そのため本記事では、報酬について幅のある目安をお伝えしつつ、比較の仕方をあわせてご案内します。報酬額だけを見るのではなく、登録免許税と実費を含めた「総額」で、しかも同じ条件で比べるのが実務的なコツです。

見落とされがちな「実費」

実費とは、手続きに必要な書類を取得するための費用です。

  • 戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍(1通あたり450円〜750円が一般的)
  • 住民票、戸籍の附票、印鑑証明書(自治体により200円〜400円程度)
  • 固定資産評価証明書(自治体により異なる)
  • 登記事項証明書(書面請求で1通600円、オンライン請求だとより安くなります)

1通ずつは小さな金額ですが、相続登記のように何代分もの戸籍をたどるケースでは通数が膨らみ、実費だけで数万円になることも珍しくありません。ここは案件によって差が出やすい部分です。

「表題部」と「権利部」で担当する専門家が違う

もうひとつ、費用の話をするうえで知っておいていただきたい前提があります。不動産の登記記録は、大きく2つの部分に分かれています。

  • 表題部:その不動産が「どこにある、どんな形・広さのものか」を記録する部分。ここを扱うのは土地家屋調査士です
  • 権利部:その不動産が「誰のものか」「誰の担保が付いているか」を記録する部分。ここを扱うのが司法書士です

新築の建物を建てたときに最初に行う「建物表題登記」は土地家屋調査士の業務で、土地の分筆や地積更正も同様です。表示に関する登記には、原則として登録免許税がかかりません(ただし分筆・合筆の登記は1筆につき1,000円かかります)が、主な費用は調査士への報酬になります。

新築時の見積書に見慣れない事務所名が2つ並んでいることがあるのは、この役割分担があるためです。「二重に取られているのでは」と心配される方がいらっしゃいますが、担当している登記そのものが別物だとご理解ください。

【種類別】不動産登記の登録免許税の税率一覧

ここからが本題です。登録免許税は登記の種類ごとに税率が決まっており、税額表は国税庁「No.7191 登録免許税の税額表」で確認できます。主なものを整理します。

相続による名義変更(相続登記)|評価額の0.4%

亡くなった方から相続人へ名義を移す登記です。税率は固定資産税評価額の1,000分の4(0.4%)で、土地・建物とも同じです。

不動産登記の中では税率が低く抑えられている部類ですが、評価額が大きければ税額も大きくなります。評価額1,000万円なら4万円、3,000万円なら12万円という計算です。

相続登記は2024年4月1日から申請が義務化されており、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に申請しないと、10万円以下の過料の対象になり得ます(法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」)。費用の内訳をより詳しく知りたい方は、相続登記の費用はいくら?登録免許税・報酬・実費の内訳を解説した記事もあわせてご覧ください。

売買による名義変更|土地1.5%・建物2%

不動産を購入したときの所有権移転登記です。ここは本則と軽減措置の関係がやや複雑なので、丁寧に見ていきます。

  • 土地:本則2.0%のところ、軽減措置により1.5%。令和8年度の税制改正で3年延長され、令和11年(2029年)3月31日まで適用されます(租税特別措置法第72条第1項・国税庁「登録免許税の税率の軽減措置に関するお知らせ」)。なお国税庁のタックスアンサー等では改正前の期限表記が残っている場合があります
  • 建物:本則2.0%。ただし一定の要件を満たす住宅用家屋であれば0.3%まで軽減されます(同法第73条)。こちらの適用期限は令和9年(2027年)3月31日までです

建物の軽減は自動では適用されません。市区町村長が発行する住宅用家屋証明書を登記申請書に添付する必要があり、床面積50平方メートル以上であることなどの要件を満たしたうえで、新築または取得後1年以内に登記を受けることが条件です(国税庁「登録免許税の税率の軽減措置に関するお知らせ」)。

本則2.0%と軽減後0.3%では、税額が7分の1以下になります。要件を満たしているかどうかは早めに確認しておきたいところです。

贈与による名義変更|評価額の2%

生前贈与などで名義を移す場合の税率は1,000分の20(2%)です。相続の0.4%と比べると5倍になります。財産分与による移転も同じ2%です。

「生前に贈与しておけば手続きが楽なのでは」とお考えになる方は多いのですが、登録免許税だけを見ても差はこれだけあります。加えて贈与税や不動産取得税の問題もありますので、税負担の全体像については税理士や税務署にご確認いただくことを強くおすすめします。当事務所からも、必要に応じて税理士におつなぎしております。

新築時の所有権保存登記|0.4%(住宅用家屋は0.15%)

まだ誰の名義にもなっていない新築の建物について、最初の所有者を記録する登記です。本則は1,000分の4(0.4%)、要件を満たす住宅用家屋であれば0.15%に軽減されます(租税特別措置法第72条の2)。こちらも適用期限は令和9年3月31日までです。

住宅ローンの抵当権設定登記|債権額の0.4%(住宅用家屋は0.1%)

住宅ローンを組むと、金融機関のために抵当権を設定する登記が必要になります。この登記だけは課税の基準が不動産の評価額ではなく「借入額(債権金額)」である点にご注意ください。

本則は債権金額の1,000分の4(0.4%)、住宅取得資金の貸付け等に係る一定の要件を満たす場合は0.1%に軽減されます(同法第75条・令和9年3月31日まで)。3,000万円を借り入れた場合、本則なら12万円、軽減が使えれば3万円という差になります。

抵当権抹消・住所変更登記|不動産1個につき1,000円

ここまでとは性格が異なり、評価額に関係なく不動産の個数で決まる登記があります。住宅ローン完済後の抵当権抹消登記と、引っ越しなどにともなう登記名義人住所変更登記です。

どちらも登録免許税は不動産1個につき1,000円です。土地1筆と建物1棟であれば合計2,000円になります(法務省民事局「住宅ローンを完済した方へ(抵当権の登記の抹消手続のご案内)」)。

なお住所変更登記についても、2026年4月1日から申請が義務化されました。変更の日から2年以内の申請が必要で、正当な理由なく怠ると5万円以下の過料の対象となります(法務省「住所等変更登記の義務化について」)。施行日より前の引っ越しも対象で、この場合は2028年3月31日が期限です。詳しくは住所変更登記の義務化について解説した記事をご覧ください。

登録免許税の税率まとめ
  • 相続による所有権移転:評価額の0.4%
  • 売買による所有権移転(土地):1.5%(本則2.0%・令和11年3月31日まで)
  • 売買による所有権移転(建物):本則2.0%/住宅用家屋0.3%(令和9年3月31日まで)
  • 贈与・財産分与による所有権移転:2.0%
  • 所有権保存:0.4%/住宅用家屋0.15%(令和9年3月31日まで)
  • 抵当権設定:債権額の0.4%/住宅用家屋0.1%(令和9年3月31日まで)
  • 抵当権抹消・登記名義人住所変更:不動産1個につき1,000円

軽減措置には期限があり、税制改正のたびに延長されたり内容が変わったりします。実際に申請する時点での最新の取扱いは、必ず一次情報でご確認ください。

登録免許税の計算でつまずきやすい3つのポイント

税率が分かっても、実際に計算しようとすると引っかかる箇所があります。ご自身で試算される方が間違えやすい点を3つ挙げます。

1. 基準は「固定資産税評価額」であって売買価格ではない

所有権に関する登記の課税標準は、市町村が管理する固定資産課税台帳の価格です。3,000万円で買った家でも、評価額が1,800万円ならその1,800万円が計算の基礎になります。

ここでよくある間違いが、毎年届く固定資産税の課税明細書の中でどの欄を見るかです。使うのは「価格」または「評価額」と書かれた欄で、「固定資産税課税標準額」の欄ではありません。住宅用地の特例などが反映されているぶん、課税標準額のほうが小さくなっていることが多く、これを使うと税額を過少に見積もってしまいます。

2. 「不動産1個」の数え方

抵当権抹消や住所変更のように個数で課税されるものは、数え方で金額が変わります。土地と建物は別々に1個ずつ、土地が2筆に分かれていればそれだけで2個です。

特に注意が必要なのがマンションです。敷地権が複数の筆にまたがっていると、その筆数分だけ加算されます。建物1個と土地3個なら合計4個で4,000円という具合です。戸建てでも、私道の持分を共有している場合はその私道も個数に含まれます。

「2,000円で終わると思っていたら見積もりが違った」というご相談の多くは、この数え方が原因です。

3. 端数処理のルール

登録免許税には独特の端数処理があります。

  1. 課税標準となる評価額は1,000円未満を切り捨てる(複数の不動産を1件の申請書でまとめて申請するときは、合計してから切り捨てます)
  2. そこに税率を掛けた税額は100円未満を切り捨て
  3. 計算した額が1,000円未満になるときは1,000円とする

たとえば評価額5,125,300円の土地を売買で取得した場合、課税標準は5,125,000円、これに1.5%を掛けると76,875円、100円未満を切り捨てて76,800円となります。申請書の書き方や計算例は法務局「不動産登記の申請書様式について」で公開されていますので、ご自身で申請される方はこちらもご確認ください。

【種類別】不動産登記は自分でできる?難易度の目安

「不動産登記 自分で」と検索される方はとても多く、実際にご自身で申請することは法律上まったく問題ありません。ただし、登記の種類によって難易度はかなり違います。

自分でやりやすい:抵当権抹消・住所変更登記

この2つは、比較的ご自身で進めやすい登記です。抵当権抹消であれば、必要な書類は完済時に金融機関からまとめて送られてきますし、住所変更登記も住民票などを添えれば足ります。法務局のウェブサイトに申請書の様式と記載例が公開されており、それに沿って作成できます。

もっとも、金融機関から届いた書類を何年も放置してしまうと話が変わります。書類の有効期間が切れたり、その間に金融機関が合併して名称が変わったりすると、前提として別の登記が必要になり、一気に複雑になります。届いたら早めに動くのが結果的にいちばん安く済みます。詳しい費用感は抵当権抹消の司法書士費用と自分でやる場合の比較記事で解説しています。

条件がそろえば可能:相続登記

相続登記は、次のような条件がそろっていればご自身でも十分に可能です。

  • 亡くなった方の名義が最新(前の代から名義が変わっていない、ということがない)
  • 相続人の人数が少なく、全員と連絡が取れて、分け方に争いがない
  • 対象の不動産が少なく、所在地が把握できている
  • 平日の日中に役所や法務局へ出向く時間が取れる

逆に、相続人が10人を超える、疎遠な相続人がいる、名義が祖父母やそれ以前のままになっている、といったケースでは、戸籍を集める作業だけで相当な時間がかかります。このあたりが分岐点になると考えていただければと思います。

専門家に任せたほうがよい:売買・贈与による名義変更

売買にともなう登記は、事情がまったく異なります。理由は費用ではなく、お金と権利を同時に動かす必要がある点にあります。

不動産の決済では、買主が代金を支払う瞬間と、売主から買主へ名義が移る手続きが同時に進みます。もし代金を払ったのに登記ができなかったら、買主は大きな損害を負います。逆に名義だけ移って代金が支払われなければ、売主が損をします。

そこで司法書士が決済の場に立ち会い、本人確認と書類の確認を行ったうえで「これで登記できます」と確認することによって、はじめて代金が動く仕組みになっています。金融機関の融資が入る取引では、司法書士の立会いが事実上の必須条件です。

これは仲介会社を通さない個人間の売買でも同じです。むしろ当事者だけで進めるぶん、確認の目が減ります。個人売買を検討されている方は、不動産の個人売買の流れと注意点をまとめた記事を先にお読みいただくことをおすすめします。

「自分でやる=タダ」ではない

最後にひとつ、正直なところをお伝えします。ご自身で登記をすれば司法書士報酬はかかりませんが、その代わりに次の負担を引き受けることになります。

  • 役所と法務局は平日の日中しか開いていない(何度か足を運ぶ前提になります)
  • 書類に不備があると「補正」の連絡が入り、そのつど出向くか郵送でやり取りする
  • 登記の内容そのものを間違えると、後から直すために別の登記が必要になることがある

お仕事を休んで手続きをされるのであれば、その時間の価値も含めて考えていただくのが公平だと思います。「時間はあるが費用は抑えたい」方はご自身で、「時間が取れない・確実に終わらせたい」方は専門家に、というのが現実的な線引きです。

不動産登記の必要書類|共通セットと種類別の追加分

必要書類も、登記の種類ごとにバラバラに覚える必要はありません。共通の土台があり、そこに種類別の書類が乗るという構造です。

どの登記でも共通して必要になるもの

  • 登記申請書:法務局の様式に沿って自分で作成します(法務局は代筆をしてくれません)
  • 登記原因証明情報:なぜ名義や権利が動くのかを示す書類
  • 登記識別情報または登記済証(いわゆる権利証):権利を手放す側が提出します
  • 固定資産評価証明書または課税明細書:登録免許税の計算のため
  • 委任状:代理人に依頼する場合

種類別に追加で必要になるもの

  • 相続登記:亡くなった方の出生から死亡までの戸籍一式、相続人全員の戸籍、遺産分割協議書と相続人全員の印鑑証明書(または遺言書)、不動産を取得する方の住民票
  • 売買による移転:売主の印鑑証明書、買主の住民票、売買契約書等、住宅用家屋の軽減を受けるなら住宅用家屋証明書
  • 抵当権抹消:金融機関から届く解除証書や弁済証書、抵当権の登記識別情報、金融機関の委任状、会社法人等番号
  • 住所変更登記:住民票または戸籍の附票(登記上の住所から現住所までのつながりが分かるもの)

書類集めでつまずきやすいところ

実務で「あと一歩」で止まりやすいのは、次の3点です。

  1. 住所のつながりが切れる:登記上の住所から現住所まで何度も引っ越していると、住民票だけでは追えず、戸籍の附票をさかのぼる必要があります
  2. 証明書の有効期間:印鑑証明書など、登記の種類によっては発行から3か月以内のものが求められます。先に取りすぎると取り直しになります
  3. 氏名の文字が一致しない:戸籍と登記記録で漢字の字体が違うことがあり、同一人物であることを示す書類が別途必要になる場合があります

費用を抑えるために現実的にできること

ここまでを踏まえて、実際に効果のある方法を挙げます。

軽減措置の要件を満たしているか確認する

住宅を取得する場面では、住宅用家屋証明書があるかないかで税額が大きく変わります。床面積や取得後の期間などの要件があり、証明書は物件所在地の市区町村で取得します。取得から1年を過ぎると使えなくなりますので、後回しにしないことが大切です。

相続登記の免税措置を確認する

相続登記には、一定の要件のもとで登録免許税が免税となる制度があります。評価額が低い土地や、相続した方が登記をしないまま亡くなってしまった数次相続のケースが対象です。放置されてきた土地ほど該当する可能性がありますので、該当しそうな方は相続登記の費用について詳しく解説した記事で要件をご確認ください。

見積もりは「総額」と「条件」をそろえて比べる

複数の事務所を比較されるのは、まったく問題ありません。そのときは報酬額だけでなく、次の点をそろえて比べてください。

  • 登録免許税と実費を含んだ総額になっているか
  • 戸籍などの書類収集がどこまで含まれているか(自分で集める前提の見積もりは当然安くなります)
  • 不動産の個数や相続人の人数によって加算があるか

まとめて依頼できるものはまとめる

登記の種類が違えば申請自体は別々になりますが、同じ不動産について複数の登記が必要なとき(たとえば抵当権抹消と住所変更が両方必要なケース)は、まとめてご依頼いただくほうが、書類収集や打ち合わせの重複が減ります。ばらばらの時期に少しずつ頼むより、全体を一度整理してから動くほうが結果的に負担が軽くなります。

沖縄で不動産登記をするときの実務ポイント

ここからは、沖縄県内の不動産について特にご相談の多い点をお伝えします。

申請先は那覇地方法務局とその支局

登記の申請は、どこの法務局でもよいわけではなく、その不動産の所在地を管轄する法務局に提出します。沖縄県内であれば那覇地方法務局と、名護支局・沖縄支局・平良支局・石垣支局などが管轄を分けています。

那覇市にお住まいの方が名護市の土地を相続した場合、申請先は名護を管轄する庁になります。離島の不動産であればなおさらです。窓口へ出向く前提で考えると移動だけで一日仕事になりますので、郵送申請やオンライン申請の活用もご検討ください。なお法務局での手続案内は予約制です。

軍用地は評価額の考え方に注意

沖縄特有の事情として、軍用地の存在があります。軍用地は借地料をもとに取引価格が決まるため、実際の売買相場と固定資産税評価額が大きく離れることがあります。

登録免許税の計算はあくまで固定資産税評価額をもとに行いますので、「これだけの価値がある土地なのに登記の税金は意外と小さい」という感覚になる場合があります。逆に、遺産の分け方を考えるときに評価額だけで判断すると実態と食い違いますので、そこは分けて考える必要があります。相続税の評価はまた別の考え方になりますので、税理士にご確認ください。

相続人が県外・海外にいるケース

沖縄では、相続人のどなたかが県外や海外にお住まいというケースが本当に多くあります。この場合、書類のやり取りが郵送中心になり、時間がかかります。

特に海外在住の相続人がいる場合は、日本の印鑑証明書が取得できないため、現地の日本大使館・領事館で署名証明(サイン証明)を取得していただく必要があります。ご本人が窓口へ出向く必要があり、国によっては移動に時間がかかります。早めに段取りを組んでおくことが、費用と期間の両方を抑えることにつながります。

名義が何代も前のまま残っている土地

「祖父の名義のままだった」というご相談も少なくありません。この場合、亡くなった方それぞれについて相続関係を確定させる必要があり、戸籍の通数も相続人の数も一気に増えます。

費用の面でも、実費と報酬の両方が膨らみます。時間が経つほど関係者が増え、費用も手間も増えるのが登記の性質です。相続登記が義務化された今、心当たりのある土地は早めに確認されることをおすすめします。

よくある質問

不動産登記の費用は売主と買主のどちらが払うのですか?

売買の場合、所有権移転登記と抵当権設定登記の費用は買主が負担するのが一般的です。名義を取得して利益を受けるのが買主だからです。

一方で、売主側に必要となる登記(住所変更登記や、残っている抵当権の抹消登記)は売主の負担とするのが通例です。ただしこれは法律で決まっているわけではなく、契約でどう定めるか次第です。売買契約書の費用負担の条項を必ずご確認ください。

自分で登記をすると、どのくらい費用が浮きますか?

浮くのは司法書士報酬の部分だけで、登録免許税と実費は変わりません。抵当権抹消のように報酬水準が比較的低い登記では浮く額も限られますが、相続登記のように作業量の多い登記では差が大きくなります。

報酬額は事務所によって異なりますので、まずはご自身のケースで見積もりを取り、「浮く金額」と「かかる時間・手間」を並べて比べてみるのが確実です。

登記費用は住宅ローンに含められますか?

諸費用をローンに組み込める商品を扱っている金融機関は多く、登記費用もその対象に含まれるのが一般的です。ただし取扱いは金融機関や商品ごとに異なり、審査の条件も変わります。借入先にご確認ください。

登記費用は確定申告で経費にできますか?

賃貸用不動産の取得か自宅の取得か、あるいは売却にともなうものかによって、必要経費になるか、取得費に算入するか、扱いが変わります。この判断は税理士の領域ですので、当事務所から具体的な計算や有利不利の判断を申し上げることはできません。

同様に、不動産を取得すると登録免許税とは別に不動産取得税がかかり、売却すれば譲渡所得税の問題も生じます。これらの試算については税理士や税務署、県税事務所へご確認ください。ご希望があれば、連携している税理士をご紹介いたします。

見積もりだけをお願いすることはできますか?

もちろん可能です。むしろ、不動産の個数や相続人の状況によって金額が変わりますので、お手元の資料を拝見したうえでお出しするほうが正確です。

固定資産税の課税明細書や登記事項証明書、権利証などをお持ちいただけると、その場でおおよその総額をご案内できることが多いです。

まとめ

不動産登記の費用について解説してまいりました。要点を整理いたします。

  • 費用は登録免許税(法律で決まる税金)+司法書士報酬(事務所ごとに異なる)+実費の3つでできている
  • 登録免許税の税率は登記の種類で決まる。相続0.4%・売買は土地1.5%/建物2%・贈与2%が基本で、抵当権抹消と住所変更は不動産1個につき1,000円
  • 軽減措置には期限がある。土地の売買1.5%は令和11年3月31日まで、住宅用家屋に関する軽減は令和9年3月31日まで
  • 計算の基準は固定資産税評価額(売買価格でも課税標準額でもない)。個数で課税される登記はマンションの敷地権や私道の数え方に注意
  • 自分でやりやすいのは抵当権抹消・住所変更。相続登記は条件次第。売買は決済と同時に権利を動かすため専門家の関与が前提
  • 放置するほど関係者と書類が増え、費用も手間も膨らむ。相続登記も住所変更登記も、すでに申請が義務化されている

不動産登記の費用は、仕組みさえ分かれば「自分のケースではどこにいくらかかるのか」を見通せるようになります。逆に言えば、その見通しが立たないまま見積もりだけを比べても、判断は難しいままです。

レスター司法書士法人では、窓口を一つにしてワンストップで対応しております。税務が絡む場面では税理士と連携し、全体として最適な進め方をご提案いたします。初回のご相談は無料で承っておりますので、ご不安な点やご不明な点がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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監修者 司法書士 日高憲一

この記事の監修者

日高 憲一(レスター司法書士法人 代表社員司法書士)

沖縄県名護市出身。那覇市壺川で開業以来、相続登記・家族信託・渉外登記・事業承継など沖縄の登記・法務案件を幅広く手がける。実務経験20年・相続案件実績2,000件。

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