皆様、こんにちは。レスター司法書士法人の日高憲一です。
「元気なうちに、自分で後見人を選んでおきたい」——任意後見制度に関心を持たれる方は年々増えています。
ただ、実際に調べ始めると「結局いくらかかるのか」がなかなか見えてこないのではないでしょうか。契約時の費用を紹介している情報は多いのですが、任意後見は契約して終わりの制度ではありません。
そして、あまり正面から語られないことがひとつあります。任意後見が実際に始まった後は、任意後見監督人への報酬が原則として発生し続けるという点です。ここを知らないまま契約し、後になって「こんなはずではなかった」と感じられる方を、私たちは実務の中で見てきました。
本日は、任意後見制度の費用を「契約時」「発効時」「発効後」の3段階に分けて、公的機関が公表している金額をもとに解説いたします。
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任意後見制度の費用は「3段階」で発生します
結論から申し上げますと、任意後見制度の費用が発生するタイミングは次の3つです。
- 契約時:公正証書を作成する費用(法定費用はおおむね2万円前後)
- 発効時:家庭裁判所に任意後見監督人の選任を申し立てる費用(収入印紙2,200円分+郵便切手)
- 発効後:任意後見監督人への報酬(毎月)と、任意後見人への報酬(契約で定めた額)
もっとも注意していただきたいのは3番目です。1と2は一度きりの出費ですが、3は任意後見が終了するまで続きます。任意後見の費用を検討するときは、契約時の金額ではなく、この継続コストを軸に考えていただく必要があります。
「契約したのに、まだ始まっていない」期間があります
任意後見契約は、公正証書を作成した時点では効力が発生しません。
ご本人の判断能力が低下した後、家庭裁判所が任意後見監督人を選任して、はじめて任意後見人としての仕事が始まります。これを「発効」と呼びます。手続の全体像は、厚生労働省の成年後見はやわかり「任意後見制度とは(手続の流れ、費用)」でも図解されています。
この2段階構造が、任意後見の費用をわかりにくくしている最大の理由です。契約から発効まで何年も空くことは珍しくなく、その間は監督人の報酬も発生しません。逆に言えば、契約時の見積書だけを見て「思ったより安い」と判断してしまうと、実態を見誤ることになります。
【第1段階】任意後見契約を結ぶときにかかる費用
任意後見契約は、必ず公正証書で作成しなければならないと法律で定められています。そのため、公証役場に納める費用が必ず発生します。
公正証書の作成手数料は1万3000円です(2025年10月に改定されました)
日本公証人連合会によると、任意後見契約公正証書の作成手数料は1契約につき1万3000円です。証書の枚数が3枚を超えるときは、超える1枚ごとに300円が加算されます。
ここで一点、お伝えしておきたいことがあります。
この手数料は2025年10月1日の公証人手数料令の改正で改定されたものです。改正前は1万1000円でした。そのため、インターネット上には現在も「1万1000円」と案内している解説記事や資料が少なくありません。費用を調べるときは、その情報がいつ書かれたものかをあわせてご確認いただくことをお勧めいたします。
金額の根拠は、日本公証人連合会の「任意後見契約公正証書を作成する費用は、いくらでしょうか?」で確認できます。
登記と収入印紙にかかる費用
任意後見契約を結ぶと、公証人が法務局へ登記を嘱託します。この登記は、任意後見人に代理権があることを公的に証明するためのもので、ご本人やご家族が法務局へ出向いて手続きする必要はありません。
この登記に関連して、次の費用がかかります。
- 法務局に納める収入印紙代:2,600円
- 登記嘱託手数料:1,600円
- 書留郵便料:郵便物の重量によって多少異なります
- 正本・謄本等の作成手数料:電磁的記録による場合は1通2,500円、書面で発行する場合は枚数×300円
契約時の法定費用は合計2万円前後が目安です
- 公正証書作成手数料:13,000円
- 法務局に納める収入印紙代:2,600円
- 登記嘱託手数料:1,600円
- 正本・謄本等の作成手数料:2,500円程度
- 書留郵便料:実費
- 合計:おおむね2万円前後
※日本公証人連合会の公表額をもとに作成しています。証書の枚数や契約内容によって変動します。
なお、任意後見契約とあわせて他の契約も同時に締結する場合や、任意後見受任者が複数になる場合には、その分の費用がさらに加算されます。
契約書の作成を専門家に依頼する場合の報酬
公証役場に納める費用とは別に、契約内容の設計や文案の作成を司法書士などの専門家に依頼する場合は、その報酬がかかります。
この報酬は法律で決まっているものではなく、事務所によって異なります。一般的には10万円〜30万円程度を目安として案内している事務所が多いようですが、代理権の範囲をどこまで細かく設計するか、あわせて結ぶ契約が何本あるかによって幅が出ます。実際に検討される際は、複数の事務所から見積りを取り、その金額に何が含まれているかを確認されるとよいでしょう。
任意後見契約は、いわば「将来の自分の代わりに、誰に、どこまでを任せるか」を条文の形で決めておく作業です。ひな形をそのまま使うと、いざ発効したときに「その手続きは代理権の範囲外なのでできません」という事態が起こり得ます。ここは費用を惜しむべきではない部分だと、実務を通じて感じています。
見落とされがちな「セットで結ぶ契約」の費用
実務では、任意後見契約だけを単独で結ぶケースはむしろ少数です。理由は、契約から発効までの空白期間を埋める必要があるからです。
- 見守り契約:定期的に連絡・訪問し、判断能力の低下を見逃さないための契約
- 財産管理等委任契約:判断能力はあるものの体が不自由になった段階から、財産管理を任せる契約
- 死後事務委任契約:ご本人が亡くなった後の葬儀・納骨・各種解約などを任せる契約
任意後見契約を結んでも、監督人が選任されるまでは任意後見人は動けません。誰かが判断能力の低下に気づいて申立てをしなければ、契約は眠ったままになってしまいます。見守り契約はその見張り役を果たすものです。
これらを追加すれば、公正証書の作成手数料も専門家報酬もその分だけ増えます。「任意後見の費用」として提示された金額に、どの契約まで含まれているのかを必ずご確認ください。同じ「30万円」でも、任意後見契約1本のみの場合と4本セットの場合とでは、意味がまったく違います。
【第2段階】任意後見を発効させるときの費用
ご本人の判断能力が低下したら、家庭裁判所に任意後見監督人の選任を申し立てます。この申立てが認められて監督人が選ばれると、任意後見契約の効力が発生します。
家庭裁判所に納める費用は収入印紙2,200円分と郵便切手
裁判所が公表している任意後見監督人選任の手続案内によると、申立てに必要な費用は次のとおりです。
- 申立手数料:収入印紙800円分
- 登記手数料:収入印紙1,400円分
- 連絡用の郵便切手:申立先の家庭裁判所によって異なります
申立てができるのは、ご本人・配偶者・四親等内の親族・任意後見受任者です。裁判所に納める実費だけを見れば、発効の段階は決して高額ではありません。
診断書と鑑定の費用
申立てには、ご本人の判断能力に関する医師の診断書が必要です。診断書の作成料は医療機関によって異なりますが、数千円程度が一般的です。
さらに、ご本人の精神の状況について鑑定が必要と判断された場合には、その鑑定に要する費用を申立人が負担することがあります。ただし、鑑定が実施されるのは限られた場合であり、必ずかかる費用ではありません。
申立てを専門家に依頼する場合
戸籍や財産に関する資料の収集、申立書の作成を司法書士に依頼することもできます。この場合の報酬も事務所によって異なりますので、依頼先にご確認ください。
なお、任意後見契約を結んだ事務所とは別の専門家に申立てを依頼することも可能です。ただ、契約内容を把握している専門家の方がスムーズに進むことが多いのは確かです。
【第3段階】発効後はずっとかかります|任意後見監督人の報酬
ここが、任意後見の費用を考えるうえで最も重要な部分です。
任意後見が発効すると、任意後見監督人への報酬が原則として発生します。そしてこれは、任意後見が終了するまで続きます。現行法では、任意後見は「監督人が必ず付く」制度であり、監督人を置かないという選択はできません(2026年6月に成立した改正法では、家庭裁判所が監督の必要がないと認める場合に監督人を選任しない運用が可能になる見直しが含まれています。施行日は未定です)。
任意後見監督人の報酬は家庭裁判所が決めます
任意後見監督人の報酬は、契約で決めることができません。監督人からの報酬付与の申立てを受けて、家庭裁判所がご本人の財産の中から相当な額を決定します。
東京家庭裁判所が公表している「成年後見人等の報酬額のめやす」では、任意後見監督人を含む監督人の基本報酬について、次のように示されています。
- 管理財産額が5,000万円以下の場合:月額1万円〜2万円
- 管理財産額が5,000万円を超える場合:月額2万5,000円〜3万円
※管理財産額とは、預貯金および有価証券等の流動資産の合計額を指します。特別困難な事情があった場合には、基本報酬額の50パーセントの範囲内で付加報酬が加わることがあります。
これはあくまで東京家庭裁判所が示しているめやすであり、全国一律の基準ではありません。報酬額は、裁判官が事務の内容や管理財産の状況を総合的に考慮して個別に判断するものです。ただ、実務上は各地の家庭裁判所でも参考にされており、大きくかけ離れた金額になることは多くありません。
任意後見人の報酬は契約で決められます
一方、任意後見人への報酬は、契約を結ぶ段階で当事者が自由に決めることができます。これは家庭裁判所が決める監督人の報酬との大きな違いです。
ご家族が任意後見人になる場合は「無報酬」と定めることも可能です。司法書士などの専門家が就任する場合は、月額いくらという形で契約書に明記します。
「家族に頼めば費用はかからない」は、半分しか正しくありません
任意後見について、よくある誤解があります。「子どもを任意後見人にすれば、報酬はかからない」というものです。
確かに、任意後見人への報酬は無報酬にできます。しかし、任意後見監督人は家庭裁判所が選任する第三者であり、多くの場合は弁護士や司法書士などの専門職が選ばれます。そして、その報酬を避けることはできません。
これは裏を返せば、ご家族が任意後見人になっても第三者のチェックが働くという安心材料でもあります。ご本人の財産が適切に管理されているかを定期的に見てもらえる仕組みだからです。ただ、費用の面では避けて通れないコストとして、あらかじめ計算に入れておく必要があります。
10年続いたらいくらになるかを一度計算してみてください
仮に、任意後見監督人の報酬が月1万5,000円だとします。年間では18万円です。
- 5年間続いた場合:約90万円
- 10年間続いた場合:約180万円
- 15年間続いた場合:約270万円
契約時の2万円前後という金額と比べると、桁がひとつ変わることがおわかりいただけるかと思います。任意後見の費用は、契約時の金額ではなく「発効後に毎月いくらを何年払うか」で考えるべきものです。
もちろん、この費用はご本人の財産の中から支払われますので、ご家族の家計から出すわけではありません。とはいえ、将来相続する財産がその分だけ減るという意味では、ご家族にとっても無関係ではないでしょう。
任意後見と成年後見(法定後見)は、どちらが費用を抑えられる?
「それなら法定後見の方が安いのでは」と思われるかもしれません。両者の費用構造を整理してみましょう。
| 任意後見 | 成年後見(法定後見) | |
|---|---|---|
| 開始前の費用 | 公正証書の作成など2万円前後 | なし |
| 開始時の費用 | 収入印紙2,200円分+切手+診断書代 | 収入印紙2,200円分+切手+診断書代(鑑定が必要な場合は別途) |
| 後見人の報酬 | 契約で定めた額(無報酬も可能) | 家庭裁判所が決定(基本報酬は月額2万円が目安) |
| 監督人の報酬 | 原則として必要(月額1万円〜3万円が目安) | 監督人が選任された場合のみ |
| 誰が後見人になるか | ご本人が事前に選ぶ | 家庭裁判所が選ぶ |
総額だけで「どちらが安いか」は一概に言えません
法定後見では監督人が必ず付くわけではないため、監督人が選任されなければその分の報酬はかかりません。一方で、成年後見人の基本報酬は月額2万円が目安とされ、管理財産額が大きい場合には月額5万円〜6万円になることもあります。
つまり、ご本人の財産規模や、誰が後見人になるかによって、有利不利は入れ替わります。財産が多いご家庭では、後見人報酬が家庭裁判所の裁量で決まる法定後見より、後見人報酬を契約で抑えられる任意後見の方が総額を低くできる場合もあります。
成年後見側の費用の内訳については、成年後見の費用はいくら?申立時の実費と毎月の報酬を司法書士が解説で詳しくまとめておりますので、あわせてご覧ください。
それでも任意後見を選ぶ理由は「誰に任せるか」を決められること
費用だけを比べるなら、任意後見は契約時の持ち出しがある分だけ不利に見えるかもしれません。
しかし、法定後見では後見人を家庭裁判所が選びます。ご家族を候補者として申し立てても、そのとおりに選ばれるとは限りません。
任意後見の本質的な価値は、判断能力があるうちに「この人に、この範囲を任せる」とご自身で決められる点にあります。契約時の2万円前後という費用は、その選択権に対する対価だとお考えいただくのがよいかと思います。
なお、月々の監督人報酬が発生しない財産管理の方法として、家族信託という選択肢もあります。費用のかかり方がまったく異なりますので、家族信託の費用はいくら?内訳と相場・銀行に頼む場合との違いもあわせてご検討ください。
2026年に成立した改正法で、任意後見の費用は変わる?
成年後見制度を見直す改正民法等は、2026年6月17日に成立し、6月24日に公布されました。改正の概要は法務省の民法等の一部を改正する法律に関するページで公表されています。
この改正では任意後見制度も見直しの対象となっており、制度をより柔軟に使えるようにすることが目指されています。
ただし、施行日は公布から2年6か月を超えない範囲で政令により定めることとされており、本記事の執筆時点(2026年8月)ではまだ決まっていません。つまり、今任意後見契約を結ぶ場合に適用されるのは、あくまで現行の制度です。費用の考え方も、本記事で解説したとおりとなります。
改正の具体的な内容と、今動くべきか待つべきかの判断については、【2026年成立】成年後見制度の改正で何が変わる?いつから施行かと今の判断で詳しく解説しています。
ひとつだけ申し上げておきたいのは、改正を待っている間にご本人の判断能力が低下してしまうと、任意後見契約そのものが結べなくなるという点です。任意後見が「元気なうちにしか使えない制度」であることは、改正後も変わりません。
沖縄で任意後見契約を結ぶ場合の費用と手続き
沖縄で任意後見をお考えの方に向けて、実務上知っておいていただきたい点をお伝えします。
県内の公証役場は2か所です
日本公証人連合会の公証役場一覧によると、沖縄県内の公証役場は次の2か所です。
- 那覇公証センター(那覇市字安里)
- 沖縄公証役場(沖縄市美里)
本島南部・中部にお住まいの方であれば通える距離ですが、北部や離島にお住まいの方にとっては、公証役場に出向くこと自体が負担になります。全国どこでも同じ手数料で作れる制度であっても、沖縄では「たどり着くまで」のハードルが本土とは異なるのです。
公証人に出張してもらう場合の費用
ご本人が公証役場に出向けない場合、公証人に自宅や病院、施設まで出張してもらうことができます。
日本公証人連合会によると、任意後見契約公正証書を出張で作成する場合の手数料は1契約につき1万9500円(病床執務加算6500円を含む)となり、これに加えて日当と交通費が必要です。
沖縄では、ご本人が入院中・施設入所中というケースのほか、宮古・八重山など離島にお住まいというケースもあります。出張が可能かどうか、費用が具体的にいくらになるかは事案によって異なりますので、事前に管轄の公証役場へご相談ください。
発効の申立先は那覇家庭裁判所です
将来、任意後見を発効させる段階では、ご本人の住所地を管轄する家庭裁判所に任意後見監督人の選任を申し立てます。沖縄県内であれば那覇家庭裁判所(本庁または各支部)が窓口です。
必要な郵便切手の額や提出書類の様式は家庭裁判所ごとに案内が異なりますので、申立ての段階で最新のものをご確認ください。
県外・海外にお子様が住んでいるご家庭こそ検討の価値があります
沖縄では、お子様が本土や海外で就職・生活されているご家庭が多くあります。
このような場合、いざ親御様の判断能力が低下してから法定後見を申し立てようとしても、遠方から書類を揃え、家庭裁判所とやり取りするのは大きな負担です。しかも、遠方に住むお子様が後見人に選ばれるとは限りません。
判断能力があるうちに任意後見契約を結んでおけば、「誰が」「どこまで」動くかを先に決めておけます。帰省のタイミングにあわせて親子で公証役場に出向く、というご相談も少なくありません。契約時の2万円前後という費用は、その備えの入り口として決して高いものではないと考えています。
よくある質問
任意後見監督人の報酬は誰が払うのですか?
ご本人の財産の中から支払われます。ご家族がご自身の財布から負担するわけではありません。
ただし、その分だけご本人の財産は減っていきますので、将来の相続を考えるとご家族にとっても無関係ではないといえます。なお、監督人が家庭裁判所の許可なく報酬を受け取ることはできない仕組みになっており、必ず家庭裁判所の審判を経て支払われます。
契約したまま発効せずに亡くなった場合、払った費用は無駄になりますか?
任意後見契約は、ご本人が亡くなった時点で終了します。判断能力が低下しないまま最期を迎えられた場合、契約時に支払った2万円前後の法定費用と専門家報酬は、結果として使わずに終わることになります。
ただ、これは火災保険をかけていて火事にならなかったのと同じことです。備えとしての費用とお考えいただくのがよいかと思います。実際、判断能力が低下してからでは、この備え自体ができなくなります。
家族が任意後見人になれば、費用はかからないのですか?
任意後見人の報酬は契約で無報酬と定めることができますが、任意後見監督人の報酬は避けられません。発効後は月額1万円〜3万円程度が、ご本人の財産から支払われることになります。
「家族が引き受ければ完全に無料」ではない点に、どうぞご注意ください。この点を最初にお伝えせずに契約を勧める説明があるとすれば、それは不親切だと私は考えています。
任意後見の費用が払えなくなったらどうなりますか?
任意後見監督人の報酬は、家庭裁判所がご本人の資力その他の事情を考慮して決めます。財産が少ない場合には、それに応じた額が定められることになります。
また、市区町村によっては成年後見制度の利用を支援する助成制度が設けられている場合があります。対象や要件は自治体によって異なりますので、お住まいの市町村の高齢者福祉担当窓口にご確認ください。
家族信託と任意後見は、どちらの費用が安いですか?
費用の「かかり方」が違うため、単純な比較は難しいところです。
家族信託は組成時にまとまった費用がかかる一方、月々の報酬は原則として発生しません。任意後見は契約時の費用を抑えられますが、発効後に監督人報酬が続きます。長期間続く見込みであれば、家族信託の方が総額を抑えられる場合もあります。
ただし、家族信託では施設入所契約や医療に関する手続きといった身上保護を任せることができません。費用だけで選ぶべきものではなく、何を任せたいかで判断すべきものです。実務では、両方を組み合わせて設計するご家庭もあります。
まとめ
任意後見制度の費用について解説してまいりました。要点を整理いたします。
- 任意後見の費用は「契約時」「発効時」「発効後」の3段階で発生する
- 契約時の法定費用は2万円前後。公正証書作成手数料は2025年10月1日の改正で1万3000円になっており、古い情報では1万1000円と案内されていることがある
- 発効時に家庭裁判所へ納めるのは収入印紙2,200円分と郵便切手。実費としては高額ではない
- 発効後は任意後見監督人への報酬が原則として発生し続ける。東京家庭裁判所のめやすでは管理財産額5,000万円以下で月額1万円〜2万円
- 「家族を後見人にすれば無料」ではない。監督人の報酬は避けられないコストとして計算に入れる
- 費用は契約時の金額ではなく、発効後に何年払い続けるかで考える
- 2026年6月に改正法が成立したが施行日は未定。今契約する場合は現行制度が適用される
任意後見は、費用の額そのものよりも「何にいくらかかり、それが何年続くのか」を理解したうえで選ぶことが大切な制度です。ご家庭の財産状況やご家族の住まいによって、任意後見が最適な場合もあれば、家族信託や他の方法を組み合わせた方がよい場合もあります。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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