成年後見は誰に相談すべき?司法書士・弁護士・行政書士の違いを司法書士が解説

成年後見は誰に頼む?

皆様、こんにちは。レスター司法書士法人の日高憲一です。

「親の認知症が進んで、銀行の口座が凍結されてしまった」「施設に入るために実家を売りたいが、本人が契約できない」——このようなご相談をいただくたび、次に必ず出てくるのが「それで、成年後見って誰に相談すればいいんですか?」というご質問です。

インターネットで調べると、司法書士、弁護士、社会福祉士、行政書士……さまざまな専門職が「成年後見に対応します」と掲げています。どの専門職に頼んでも同じなのか、それとも違いがあるのか。費用だけで選んでよいのか。判断材料がないまま、相談先を決めかねている方は少なくありません。

実は、成年後見には「誰でもできること」と「法律上、特定の専門職しかできないこと」がはっきり分かれています。ここを知らずに相談先を選ぶと、遠回りになってしまうことがあります。

本日は、成年後見を誰に相談・依頼できるのか、司法書士・弁護士・社会福祉士・行政書士それぞれの役割の違いと、専門職の選び方について解説いたします。

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目次

成年後見は誰に相談できる?まず「相談」と「依頼」を分けて考える

結論から申し上げますと、成年後見の相談窓口は複数ありますが、「家庭裁判所に提出する申立書類の作成」を業務として引き受けられるのは、司法書士と弁護士に限られます

まずは全体像を整理しましょう。成年後見に関わる窓口は、大きく次の2種類に分かれます。

  1. 制度の内容を無料で相談できる公的窓口:地域包括支援センター、市区町村の成年後見の中核機関、社会福祉協議会など
  2. 申立ての実務を有償で引き受ける専門職:司法書士、弁護士など

「制度を利用すべきかどうか迷っている」という段階であれば、まずはお住まいの市区町村の地域包括支援センターに相談されるのがよいでしょう。費用はかかりません。

一方、「利用することは決めた。実際に申立てまで進めたい」という段階になると、書類作成を任せられる専門職が必要になります。ここから先が、専門職の役割の違いを理解しておくべき領域です。

「後見人になれる人」と「申立てを依頼できる人」は別の話

ここが最も誤解されやすい点です。成年後見には、性質の異なる2つの場面があります。

  • 誰が成年後見人に選ばれるか……家庭裁判所が判断します。特別な資格は必要なく、ご家族が選ばれることも、さまざまな専門職が選ばれることもあります
  • 誰に申立ての手続きを頼めるか……法律で業務範囲が定められており、専門職ごとに扱える範囲が異なります

つまり「その専門職が後見人になれるか」と「その専門職に申立書類の作成を頼めるか」は、まったく別の基準で決まります。この2つを混同すると、相談先選びを誤る原因になります。

なお、ご家族が後見人になれるかどうかの条件については、成年後見人になれる人とは?家族が選ばれるための条件で詳しく解説しておりますので、あわせてご覧ください。

そもそも成年後見制度がどんな仕組みかを先に押さえたい方は「成年後見制度とは?わかりやすく全体像と3つの類型・家族がなれるかを解説した記事」からご覧ください。

司法書士は専門職後見人の中で最も多く選ばれています

「なぜ司法書士なのか」を、客観的なデータからご説明します。

最高裁判所事務総局家庭局が公表している成年後見関係事件の概況(令和7年1月~12月)によれば、令和7年に成年後見人等に選任された関係別件数は合計42,732件でした。

このうち、ご親族が選任されたものが7,014件(約16.4%)、ご親族以外の第三者が選任されたものが35,718件(約83.6%)です。現在は、第三者が後見人になるケースが圧倒的多数を占めています。

親族以外が選任された35,718件の内訳(令和7年)
  • 司法書士:11,966件(約33.5%)
  • 弁護士:8,903件(約24.9%)
  • 社会福祉士:7,280件(約20.4%)
  • 行政書士:2,235件(約6.3%)
  • 社会福祉協議会:1,615件(約4.5%)
  • 市民後見人:390件(約1.1%)

出典:最高裁判所事務総局家庭局「成年後見関係事件の概況(令和7年1月~12月)」

ご覧のとおり、司法書士が約3分の1を占め、専門職の中で最も多く選任されています。これは特定の年だけの傾向ではなく、制度が始まって以来続いている状況です。

背景にあるリーガルサポートという組織

司法書士が多く選任されている背景には、公益社団法人 成年後見センター・リーガルサポートという組織の存在があります。

リーガルサポートは司法書士が設立した団体で、全国8,000人を超える司法書士が会員として所属しており、同法人は自らを「日本最大の専門職後見人団体」と位置づけています。会員に対しては、後見人等候補者名簿の管理と家庭裁判所への候補者推薦、継続的な研修、そして家庭裁判所への報告とは別にリーガルサポートへも業務報告を義務づける指導監督制度が設けられています。

後見人はご本人の財産を預かる立場ですから、不正を防ぐ仕組みが働いているかどうかは重要な観点です。家庭裁判所とリーガルサポートの二重のチェックが及ぶ点は、司法書士が選任されやすい理由の一つと考えられます。

成年後見の申立てで司法書士ができること

では、実際に司法書士に依頼すると、どこまで任せられるのでしょうか。

1. 家庭裁判所に提出する申立書類の作成

これが司法書士の中核的な業務です。司法書士法第3条第1項第4号は、司法書士の業務として「裁判所若しくは検察庁に提出する書類……を作成すること」を定めています。

後見開始の申立ては家庭裁判所に対して行うものですから、その申立書類の作成は、まさにこの条文が定める業務にあたります。

具体的には、後見開始申立書のほか、申立事情説明書、親族関係図、財産目録、収支予定表、後見人等候補者事情説明書といった書類を作成します。書式自体は決まっていますが、ご本人の状況が家庭裁判所に正確に伝わる形で記載するには、実務の経験が物を言う場面が少なくありません。

2. 必要書類の収集と段取り

申立てには、戸籍謄本、住民票、登記されていないことの証明書、診断書、本人情報シート、財産や収支に関する資料など、多くの書類が必要です(裁判所「後見開始」)。

特に診断書と本人情報シートは、主治医やケアマネジャーとのやり取りが必要で、平日日中に動ける方でないと集めるのに時間がかかります。司法書士は職務上請求により戸籍等を取得できるため、この負担を大きく減らすことができます。

3. 後見人候補者としての就任

ご親族に適当な候補者がいない場合、司法書士自身が候補者として名前を挙げることもできます。ただし、実際に誰を選任するかを決めるのは家庭裁判所であり、候補者を立てても必ずそのとおりになるとは限りません。

4. 就任後の後見実務

選任された後は、財産管理(預貯金の管理、収支の把握、不動産の管理・処分)と身上保護(介護サービスや施設入所の契約、医療費の支払いなど)を行い、家庭裁判所へ定期的に報告します。

この後見業務は、ご本人がお亡くなりになるまで、原則として続きます。開始後の報酬など費用面については、成年後見の費用はいくら?申立時の実費と毎月の報酬で詳しくまとめておりますので、あわせてご確認ください。

申立てにかかる法定の費用

裁判所に納める費用は定められており、後見開始の申立てでは申立手数料として収入印紙800円分、登記手数料として収入印紙2,600円分のほか、連絡用の郵便切手(金額は裁判所により異なります)がかかります。ご本人の精神の状況について鑑定が必要となる場合は、その費用を申立人が負担することがあります。

なお、専門職に手続きを依頼する場合の報酬は、事務所によって異なります。ご依頼を検討される際は、事前にお見積りをご確認ください。

弁護士・社会福祉士・行政書士との役割の違い

ここからは、他の専門職との違いを整理します。どの専門職が優れているという話ではなく、法律上できる業務の範囲と、得意分野が異なるという理解が正確です。

弁護士|紛争性があるケースは弁護士へ

弁護士は法律事務全般を扱えますので、申立書類の作成もできますし、後見人にも就任します。

司法書士との最大の違いは、紛争性のある事案への対応力です。次のようなケースでは、弁護士にご相談されることをお勧めします。

  • 親族間で、ご本人の財産の使い込みをめぐる争いが起きている
  • ご本人が悪質商法の被害に遭っており、契約の取消しを求めて交渉・訴訟が必要
  • 遺産分割で相続人同士が対立しており、代理人として交渉してもらう必要がある
  • 後見開始の申立てそのものに、親族の一部が強く反対している

司法書士が代理人として交渉や訴訟活動を行える範囲は、簡易裁判所の管轄に属する一定の事件に限られます(司法書士法第3条第1項第6号・第7号。この業務は法務大臣の認定を受けた認定司法書士に限り行えます)。争いが表面化している場面では、はじめから弁護士に依頼されるほうが結果的に早いことが多いと感じています。

社会福祉士|身上保護に強みがある

社会福祉士は、令和7年に7,280件(親族以外の約20.4%)で第3位となっており、専門職後見人の重要な担い手です。

強みは身上保護の領域にあります。介護保険サービスの選定、施設の見学や入所調整、福祉制度の活用など、ご本人の生活面の支援に関する知見が豊富です。財産管理よりも、日々の暮らしをどう支えるかが中心的な課題となるケースでは、社会福祉士が適任となる場面があります。

なお、社会福祉士は後見人には就任しますが、家庭裁判所に提出する申立書類の作成を業務として引き受けることはできません。申立て段階では司法書士・弁護士が、就任後の身上保護では社会福祉士が、というように役割を分担する事案もあります。

行政書士|後見申立書類の作成は業務範囲外です

行政書士については、正確にお伝えしておきたい点があります。ここは実務上、誤解が生じやすいところです。

まず、行政書士が家庭裁判所から成年後見人に選任されること自体はあります。令和7年には2,235件(親族以外の約6.3%)で選任されています。後見人になるために特別な資格は不要ですから、これは制度上、何ら問題のない話です。

一方で、後見開始の申立書類の作成を、業務として引き受けることはできません。理由は、次の2つの法律の定めにあります。

  1. 司法書士法第3条第1項第4号が、裁判所に提出する書類の作成を司法書士の業務と定め、同法第73条第1項が、司法書士会に入会している司法書士等でない者はこの業務を行ってはならないと定めていること
  2. 行政書士法第1条の3第1項が行政書士の業務を「官公署に提出する書類」等の作成と定めたうえ、同条第2項が「その業務を行うことが他の法律において制限されているものについては、業務を行うことができない」と明記していること

つまり、家庭裁判所という「裁判所」に提出する書類は、行政書士法が定める業務範囲からは除外される、という整理です。

これは行政書士の能力を否定する話ではまったくなく、法律が士業ごとに業務範囲を割り振っている結果にすぎません。行政書士には、成年後見に関連する周辺分野で次のような役割があります。

  • 任意後見契約の契約書案の作成支援(判断能力があるうちに、将来に備えて結んでおく契約です)
  • 見守り契約・財産管理委任契約など、後見開始前の各種契約書面の作成
  • 財産目録など、事実証明に関する書類の作成

したがって、「行政書士に相談してはいけない」ということではありません。ご相談の内容が任意後見契約や財産管理委任契約であれば行政書士が、法定後見の申立てであれば司法書士・弁護士が、それぞれ守備範囲ということになります。すでに行政書士の先生とお付き合いがある場合は、その先生に法定後見の申立てを扱える専門職を紹介していただくのも、確実な進め方です。

税務が関わる場合は税理士へ

後見業務の中で、ご本人の確定申告や相続税の問題が生じることがあります。税額の計算や申告書の作成は税理士の業務ですので、具体的な税額のご相談は税理士または所轄の税務署にご確認ください。当事務所でも、必要に応じて税理士と連携して対応しております。

「弁護士と司法書士、どっちに頼むべき?」判断の目安

実際のご相談で最も多い質問が、これです。判断の目安を整理いたします。

司法書士が向いているケース

  • 親族間に争いがなく、認知症が進んだご本人の財産管理を適正に行いたい
  • 預貯金が凍結され、生活費や施設費用の支払いに困っている
  • ご本人名義の不動産を売却する必要がある(登記手続きまで一貫して対応できます)
  • 相続手続きを進めたいが、相続人の中に判断能力が低下した方がいる

最高裁の資料でも、申立ての動機は「預貯金等の管理・解約」が39,871件(約93.4%)で最も多く、次いで身上保護、介護保険契約、不動産の処分と続きます。争いを解決するためというより、止まってしまった手続きを動かすために利用されるのが実情です。こうした事案は、司法書士の得意とする領域と重なります。

弁護士が向いているケース

  • 親族間ですでに対立が生じている、または訴訟に発展しそうである
  • ご本人の財産が使い込まれた疑いがあり、返還を求める必要がある
  • 高額な契約の取消しなど、相手方との交渉が避けられない
  • 遺産分割協議がまとまらず、調停・審判が見込まれる

迷われた場合は、まず身近な専門職にご相談いただき、事案の性質を見立ててもらうのが現実的です。相談を受けた専門職が「これは自分の範囲を超える」と判断すれば、適切な専門職をご紹介するのが通常の対応です。相談先で悩んで時間が過ぎてしまうことのほうが、ご本人にとって不利益になりかねません。

相続全般の相談先の選び方については、相続の相談先はどこがいい?悩み別に司法書士が正直に解説でも整理しておりますので、参考になさってください。

2026年6月、成年後見制度の改正法が成立しました

相談先を考えるうえで、知っておいていただきたい動きがあります。法務省の公表によれば、「民法等の一部を改正する法律」(成年後見及び遺言の制度の見直し)が令和8年6月17日に成立し、同月24日に公布されました(令和8年法律第45号)。制度が始まって以来の大きな見直しです。

成年後見制度に関する主な改正内容として、後見及び保佐の制度を廃止して補助の制度に一元化し、本人にとって必要な範囲でその利用を可能とすることが示されています。現在の「一度始めると原則として終われない」「必要以上に広い権限が与えられてしまう」といった課題への対応が図られるものと理解しております。

ただし、この改正はまだ施行されていません。成年後見制度の見直しに係る部分は、公布の日から起算して2年6か月を超えない範囲内において政令で定める日に施行されるとされています。

したがって、今お困りの方が現時点で申立てをされる場合は、これまでどおりの制度で手続きが進みます。「改正を待ったほうがよいのでは」とご質問をいただくことがありますが、預貯金の凍結や施設費用の支払いなど目の前で手続きが止まっている状況であれば、待つ選択は現実的ではありません。施行時期や具体的な運用は今後の政令等で定まりますので、ご相談の際に最新の状況をご確認ください。

改正で何がどう変わるのか、施行はいつからかは「成年後見制度の改正で何が変わる?いつから施行かを解説した記事」で詳しく整理しています。

沖縄で成年後見を相談・申立てする場合

ここからは、沖縄県内で手続きを進める場合の実情についてお伝えします。

申立先は本人の住所地を管轄する家庭裁判所

申立てをする裁判所は、原則としてご本人の住所地(住民票の所在地)を管轄する家庭裁判所です。沖縄県内では、那覇家庭裁判所の本庁と4つの支部に分かれています。

那覇家庭裁判所の管轄(本人の住所地)
  • 本庁(後見センター):那覇市、浦添市、糸満市、豊見城市、南城市、島尻郡の一部(久米島町、南風原町、八重瀬町、与那原町、粟国村、渡名喜村、渡嘉敷村、座間味村、北大東村)、中頭郡の内 西原町
  • 沖縄支部:沖縄市、うるま市、宜野湾市、中頭郡の一部(読谷村、嘉手納町、北谷町、北中城村、中城村)
  • 名護支部:名護市、国頭郡、島尻郡の一部(伊是名村、伊平屋村)
  • 平良支部:宮古島市、宮古郡
  • 石垣支部:石垣市、八重山郡

出典:那覇家庭裁判所「那覇家庭裁判所及び各支部一覧」

那覇家庭裁判所の本庁には後見センターが置かれており、手続きに関する案内を受けることができます。詳しい書式や記載例は、裁判所の後見ポータルサイトでも公開されています。

沖縄ならではの事情

沖縄で成年後見のご相談をお受けしていると、本土とは異なる事情に行き当たることがあります。

離島の問題です。久米島、粟国、渡名喜、渡嘉敷、座間味、北大東、伊是名、伊平屋といった島々にお住まいの方の場合、申立先は那覇の本庁や名護支部になります。宮古・八重山にはそれぞれ支部がありますが、いずれにしても書類の受け渡しや裁判所とのやり取りには移動の負担が伴います。後見が始まった後も、財産管理や身上保護のために継続的に本人のもとへ通う必要がありますから、後見人が地理的にどこにいるかは、実務上かなり大きな要素になります。

ご親族が県外・海外にお住まいのケースも多く見られます。お子様が本土や海外で就職されており、沖縄には高齢のご本人だけがお住まいという状況です。この場合、ご家族が後見人になっても日常的な支援が難しく、県内の専門職が後見人となるほうがご本人のためになることがあります。

不動産の権利関係が複雑なケースもあります。沖縄では、名義が古い世代のまま長く放置されている土地や、共有者が多数にのぼる土地が珍しくありません。軍用地のように借地料収入が生じている土地であれば、後見人がその収入を管理し、家庭裁判所に報告する必要も出てきます。財産管理と登記の双方に通じた専門職が関わる意味は、こうした場面で大きくなります。

よくある質問

成年後見の相談は無料でできますか?

公的な窓口であれば、無料でご相談いただけます。お住まいの市区町村の地域包括支援センターや、成年後見制度の中核機関、社会福祉協議会などが該当します。「そもそも制度を使うべきか」という段階では、こうした窓口が適しています。

専門職事務所の相談料は事務所によって異なります。当事務所では初回のご相談を無料で承っております。

行政書士に成年後見の申立てを頼めますか?

法定後見(後見・保佐・補助)の開始申立てについて、家庭裁判所に提出する書類の作成を業務として引き受けることは、行政書士にはできません。裁判所に提出する書類の作成は司法書士法第3条第1項第4号が定める業務であり、行政書士法第1条の3第2項も、他の法律で制限されている書類は業務として作成できないと定めているためです。

一方、任意後見契約の契約書案の作成支援や、財産管理委任契約の書面作成などは行政書士の業務範囲です。ご相談の内容によって、適した専門職が変わるとお考えください。

司法書士に依頼すると、必ずその司法書士が後見人になるのですか?

いいえ、そうとは限りません。申立書類の作成を依頼することと、その司法書士が後見人に就任することは別の話です。

ご家族が後見人候補者となる場合でも、申立書類の作成だけを司法書士に依頼することができます。実際、そうしたご依頼も少なくありません。もっとも、誰を後見人に選任するかを最終的に決めるのは家庭裁判所ですので、候補者を立てても必ずそのとおりになるとは限らない点にはご注意ください。

相談に行くとき、何を持っていけばよいですか?

厳密に揃っていなくても構いませんが、次のような情報があるとお話が早く進みます。

  • ご本人の判断能力の状況がわかるもの(介護保険の認定結果、主治医の見立てなど)
  • ご本人の財産の概要(預貯金の通帳、不動産の固定資産税の納税通知書など)
  • ご家族の状況がわかるメモ(推定相続人となる方の関係と、おおよその居住地)
  • 何に困っているのか(凍結された口座、売却したい不動産、進まない相続手続きなど)

特に4つ目が重要です。困りごとの内容によっては、成年後見以外の方法で解決できる場合もあるためです。

成年後見を使わずに済ませる方法はありませんか?

ご本人の判断能力がまだ十分にある段階であれば、任意後見契約や家族信託といった選択肢を検討できます。判断能力が低下する前に、ご本人の意思で備えておく方法です。

ただし、すでに判断能力が大きく低下している場合、これらの契約を新たに結ぶことはできません。その場合は法定後見によることになります。どの方法が適しているかはご本人の状況によって異なりますので、個別にご相談ください。

まとめ

成年後見を誰に相談・依頼すべきかについて解説してまいりました。要点を整理いたします。

  • 制度を使うか迷う段階の相談は、地域包括支援センターなどの公的窓口が無料で対応している。申立ての実務段階から専門職の出番になる
  • 家庭裁判所に提出する申立書類の作成を業務として引き受けられるのは、司法書士と弁護士である
  • 司法書士は専門職後見人の中で最多。令和7年は親族以外の選任35,718件のうち11,966件(約33.5%)を占めた
  • 紛争性があるケースは弁護士、身上保護が中心なら社会福祉士が適任となる場面がある
  • 行政書士は後見人に選任されることはあるが、後見申立書類の作成は業務範囲外。任意後見契約書案の作成支援など、周辺分野が守備範囲となる
  • 2026年6月に改正法が成立したが、施行は公布から2年6か月以内の政令で定める日。現時点の申立ては現行制度で進む

成年後見のご相談では、「何が問題なのか」「誰に頼めばよいのか」がわからないまま時間だけが過ぎてしまうことが少なくありません。その間にも、凍結された口座はそのままで、必要な支払いは待ってくれません。まずは交通整理から始めることが大切だと考えております。

レスター司法書士法人では、窓口を一つにしてワンストップで対応しております。成年後見の申立てはもちろん、その先の不動産の名義変更や相続手続きまで、必要に応じて弁護士・税理士とも連携しながら進めてまいります。初回のご相談は無料で承っておりますので、ご不安な点やご不明な点がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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監修者 司法書士 日高憲一

この記事の監修者

日高 憲一(レスター司法書士法人 代表社員司法書士)

沖縄県名護市出身。那覇市壺川で開業以来、相続登記・家族信託・渉外登記・事業承継など沖縄の登記・法務案件を幅広く手がける。実務経験20年・相続案件実績2,000件。

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